『ミス ディオール展覧会 ある女性の物語』の見どころ紹介!
ひとつのフレグランスから、展覧会を開催するという非常にユニークな試み。現在開催中の『ミス ディオール展覧会 ある女性の物語』で見せるのは、1947年のメゾン設立と同時に誕生した永遠の名香「ミス ディオール」にまつわるアーカイブコレクションやオートクチュールのドレス、アーティストたちの作品の数々。数あるラグジュアリーメゾンの中でも多くのヘリテージを有するメゾンだからこそ花開いた展覧会といえるだろう。 「300近いオブジェが提示されています。香水の瓶、オートクチュール ドレス、クリスチャン・ディオールの私物など貴重なアーカイブに加え、アーティストによる作品も展示されており、とても内容の濃い展覧会です」と語るのはパルファン・クリスチャン・ディオールのブランド ヘリテージ&パトリモニー ディレクターを務めるフレデリック・ブードゥリエ。
会場に足を踏み入れると、意趣の異なる空間が続くユニークな体験に誰もが圧倒される。壁一面に刺繍が施されたドーム空間、幾重ものチュールに包まれながら花々の香りを体験できる空間、クチュール ボウが出迎えるコリドー、ナタリー・ポートマンがCMで着用したオートクチュールドレスとアートが対話する空間......。 空間デザインは、2022年から23年にかけて開催され大きな話題となった『クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ』展に続き、建築家の重松象平が担当した。香水という小さな世界をスペクタクルな空間へとデザインした。
「彼は現代的なデザインに長けていると同時に、歴史やヘリテージへの理解が深く、非常にオリジナリティあふれるデザインへ落とし込む才能に優れています。たとえば、展示したいオブジェのリストを見せたところ、エントランスのフレスコや空に浮かぶ雲のような展示アイデアを提案してくれました。重松象平の魔法にかかり、展覧会全体が非常にクリエイティブな空間となりました。彼は建築家ですがアーティストでもあり、夢想家でもあるのだと思います」