【高校ラグビー】東福岡に憧れて集った選手たち 今度は憧れられる存在に
■ここ数年で増えた県外出身者 12月27日に開幕する第104回全国高校ラグビー大会。前々回の覇者で前回準優勝の福岡県代表・東福岡は、25大会連続35回目の出場。 【写真で見る】全国から集まる東福岡ラグビー部の選手たち そんな東福岡のメンバーの会話を聞いていると、九州弁ばかりが飛び交っていた数年前とは様子が違うことに気づく。この何年かで、寮から通学するいわゆる“県外組”が増え、かなりの数を占めるようになってきている。 ■最前列は3人とも寮生 今季のメンバーの特徴は、3年生主体だった昨年度やその前年と違い、3つの学年が入り混じった構成であることにある。スクラム1列目は3人とも2年生だ。 1番・左プロップの勝又篤選手は、神奈川県の古都・鎌倉市からやってきた。ジュニア時代のポジションはバックスで、センターやウイングだったそうだ。「たまにバックスに戻りたいなぁと思う事はある。」と思わず本音が。そして、「東福岡を選んだ決め手は練習の雰囲気の良さ。入ってみて思った通りだった。」 2番・フッカーを務める須藤蒋一選手はさいたま市。同じく中学時代はバックスだった。「そもそも東福岡の強力フォワードに憧れて入学したので、今が一番充実している。」バックスへの未練があるかのと思いきや、こちらは全く反対の回答だった。 体重100キロ超の3番・右プロップ武田粋幸選手は、平成28年熊本地震で被災した益城町で育った。被災した当時、小学2年だった武田少年は、弟とともに家の手伝いをしながら日々を過ごし、その経験がラグビーに生きていると前を向く。強い東福岡のラグビーに憧れていたそうだ。 ■4年前の死闘を見て 父親がラグビー強豪国・サモア出身のラガーマンという2年生・セホビストー勇貴選手のポジションもフォワード。 こちらは横浜市。4年前の花園、100回大会ベスト8、東福岡×東海大大阪仰星戦を見て、すっかりファンになったという。21対21のまま後半なんと47分まで続いた死闘。この時の東福岡フォワードの戦いぶりが当時13歳だった少年の心を奪ったのだ。 この他、「型にハマらない自由奔放なプレー」「みんなが笑顔で楽しそうにプレーする姿、それでいて強いという格好良さ」を憧れた理由に挙げた選手もいた。