「ROG Falchion Ace HFX」レビュー、ASUS初のラピッドトリガー対応ゲーミングキーボード
■背面にはインタラクティブな操作を可能にするタッチバーも 本体の背面にはタッチバーが搭載されています。スワイプとタッチ操作に対応していて、PC本体の操作やキー操作などができます。これによってキーの少ない65%レイアウトのキーボードでの機能性を補完しているというわけ。 同じく背面にある多機能ボタンを押すことで、タッチバーの操作をシステム音量・メディアトラック・キーボド輝度調整・アクチュエーションポイント・カスタマイズと切り替え可能。キーボード上部のLEDライトバーには、設定をリアルタイムで反映するライティングエフェクトが表示され、タッチバー操作時の挙動を確認することができます。 これまでのROG Falchionシリーズでは左側面にあったタッチバーが背面に移動したことで、キーボードを持ち上げた際の誤操作がなくなりました。地味な変更ではありますが、この新しい仕様によってストレスがかなり軽減しています。
■スイッチは「ROG HFX Magnetic Switches」。ルブ済みで気持ちの良い打鍵感 キースイッチには独自の磁気式スイッチ「ROG HFX Magnetic Switches」を採用。主なスペックは以下のようになっています。 初期押下圧:40 gf 総合押下圧:55 gf キーストローク:4.0 mm アクチュエーションポイント:0.1mm~4.0mm ストローク耐久性:1億回
磁気によって接点処理が行われるため部品の摩耗がなく、1億回の打鍵に耐えるキー寿命を備えています。押下圧はスタートが40gf、エンドが55gfと一般的なリニアスイッチに比べるとやや重め。ルブ済みなのでキー押下時の感触も心地良いです。 アクチュエーションポイントは、ASUSの総合ソフトウェア「Armoury Crate」から0.1~4.0mmの範囲で0.1mm間隔で調整できます。独自にチューニングされたルブ済みスタビライザーは、摩擦が少なく、スペースキー、Shift、Enterなどの長いキーでもスイッチ本来の打鍵感を実現しています。 高速USBマイクロコントローラーを搭載し、最大8,000Hzのポーリングレートを実現しています。ほとんどのゲーミングキーボードに比べ最大8倍の高速応答が可能で、1ミリ秒の遅延を0.125ミリ秒まで短縮しています。 また、ROG Falchion Ace HFXは打鍵時の静音性にも優れています。通常、キー入力を行うときには、打鍵音だけでなくキーが底まで打ち込まれた際に筐体から発生する振動音や反響音も聞こえます。しかし、ROG Falchion Ace HFXは2層のPORONフォームと3層のシリコンからなる5層の耐振動・消音レイヤーを採用しキーストローク時の振動や操作音を吸収、非常に高レベルな静音性を実現しています。 ■待望のラピッドトリガー機能に対応!! このキーボードの最大の特徴はラピッドトリガー機能です。 ラピッドトリガーは、キーがオンになる「アクチュエーションポイント」とオフになる「リセットポイント」を柔軟に制御することで、従来のキーボードでは不可能だった高速かつ連続的な入力を可能にする機能です。 通常のキースイッチでは、アクチュエーションポイントとリセットポイントが固定されています。例えばアクチュエーションポイント2.0mm、リセットポイント1.8mmのキースイッチだと、入力をオンにするためには2.0mm以上キーを押し込み、オフにするためには1.8mmの深さに戻るまでキーを離す必要があります。 ラピッドトリガー機能でアクチュエーションポイントとラピッドトリガーの設定値を0.1mmにした場合、キーがどの深さにあっても0.1mm押し込めば入力がオンになり、キーがどの深さにあっても0.1mm戻すと入力がオフになります。 キーを離した瞬間に入力がオフになるので、VALORANTのようにストッピングが重要なタイトルにおいて、キーを離してのストッピングが高速になります。もちろん逆キー(「A」キーで左移動している場合は「D」キー)でのストッピングも通常のキースイッチよりも速いです。 この差は一般的なメカニカルキースイッチと比べて数ミリ秒とごくわずかですが、実際にラピッドトリガーオン・オフを切り替えてゲームをプレイすればはっきり分かるレベルの差があります。一度ラピッドトリガー対応キーボードを使うと通常のキーボードには戻れなくなってしまうでしょう。 また、ラピッドトリガーのオンオフを瞬時に切り替えられるスイッチを背面に搭載しているため、ゲームタイトルによって使い分けたり、ゲーム以外の作業時には誤操作を防いでくれる工夫が嬉しいポイントです。