キャベツ1玉538円!記録的高騰に市場関係者も困惑、小ぶりでも“値上がり”の理由とは…?農家は苦戦「何をしても育ってくれない」
1玉200円しなかったイメージの“キャベツ”。今や500円超えも珍しくなく、「買えない」と声があがっています。キャベツにいったい何が起きているんでしょうか。
平年の3倍を記録!去年から続くキャベツの高値
「安くなったらまた買うねって言います。食べられない」 名古屋市東区にある『スーパーヤマト大幸店』。買い物客から、嘆き声が相次ぐのは「キャベツ」。野菜売り場に並べられた、キャベツの値札を見ると、なんと1玉538円! その値段に買い物客からは、「(こんな高値は)久々に見ました。高いね、買うなら半玉だよね」、「キャベツの前は普通に素通り。見ずに素通りしていきますね」など声が寄せられていました。
東京では1玉1,000円を超えた店もあるほどで、キャベツの高値は去年から続いているといいます。 「(ス-パーに)入ってから、記憶にないくらい高いですね」と話すのは、『スーパーヤマト』青果担当20年の秋山大輔さん。
農林水産省によると、去年1年間のキャベツの小売価格は、1年前の暖冬などの影響で春に一度、値上がり。そして再び10月ごろから徐々に値上がりし、12月下旬には平年の3倍を記録。 これは夏の気温が高く、その後、雨が少なかったことが生育に影響したといいます。
『スーパーヤマト』でも、本来は1玉約700円で売らないと、“赤字”だということです。
天候不順で生育にムラ、出荷量減少へ
一体なぜ、これほどの高値が続いているのでしょうか? 国内有数のキャベツ産地、愛知県田原市を訪ねると、ちょうどキャベツの収穫が行われていました。 ここで採れるキャベツは、冬の寒さで糖分をたくわえるため、甘く育つのが特徴。しかし、『ホクシン』彦坂 航社長によると、今シーズンのキャベツは全体的に小さく、小ぶりなものが多くなっているのが現状。
「9月に高温が続いていたことと、雨が1週間続いてしまったり。そういったことが続いたことで、植えたばかりのキャベツが育つ時期にうまく育たない」と話します。
この時期になって、やっと例年通りのサイズに近づいてきたといいますが、なかにはうまく育たなかったキャベツも。「この子はもうダメですね」と彦坂社長が目を向けたのは、小さなキャベツ。「ソフトボール(の大きさ)まで育ってくれればいいかな」と成長を見守ります。 キャベツ高騰のワケは、天候不順によって生育にムラができ、出荷量が減ってしまったことが主な原因だといいます。また、田原市の天候も原因のひとつ。