「本当は能力高いのに…」名作RPG「終盤で仲間になる」から使われない“強キャラ”たちの不遇
■超個性的なキャラ『ファイナルファンタジー6』ゴゴ
『ファイナルファンタジーVI』(1994年・スクウェア)も多くの個性的なキャラクターが仲間になる作品で、その中から4人をパーティメンバーとして選択してゲームを進めることになる。 中でもやはり人気が高いのは序盤で仲間になるティナ、ロック、エドガー、マッシュ、セリスあたりになり、多くのプレイヤーはこの5人あたりを中心にメンバーを組んでいたことだろう。 ものまね士・ゴゴが仲間になるのは、もういつでもラストダンジョンに乗り込めるぐらいの終盤であり、そこからレベルを上げようという気はなかなか起こらない。 しかし、ゴゴの持つ唯一無二の得意技「ものまね」は、魔法であろうがなんであろうが、直前に行動したキャラと全く同じ行動を使用することができる。しかもMPやアイテムも消費しないというチートっぷりだ。 だが、慣れたプレイヤーほどゴゴは使わないのではないだろうか。 このゲームは魔石というアイテムを装備することによって魔法を習得することができるのが最大の特徴なのだが、魔石を装備した状態でレベルアップすると、魔石の種類によって力や魔力などが上昇するという効果もある。つまり、初期からのメンバーはこの魔石を装備した状態でレベルアップさせているため、基礎的な能力が高くなっているのだ。 しかもゴゴは魔石を装備できない仕様になっているため、これまでのレギュラーキャラと比べると能力的に劣ってしまう。「ものまね」は使いようによっては役に立つのだが、やはりレギュラーを張るというところまではいかないだろう。 ちなみに前作『5』にも同名のキャラが登場しているが、そのときは水中に沈んだウォルスの塔の中におり、本作ではゾーンイーターというモンスターの体内にいる。なぜか知らないが変わった場所にいることを好む人物のようだ。
■トライアングルアタックはあるが…『ファイアーエムブレム』エスト
豊富なキャラが登場し、それぞれにストーリーがあり、成長要素もまた楽しい作品といえばシミュレーションRPG『ファイアーエムブレム』(任天堂)が外せない。同シリーズは物語の途中途中で仲間が増えていき、団が大きくなっていく様子が緊張感を高めてくれるが、やはり終盤になればなるほど新キャラへの思い入れは低くなってしまいがち。 最後は、『ファイアーエムブレム 紋章の謎』(1994年)から、ペガサスナイト三姉妹の三女・エストを挙げたい。 3人揃うと「トライアングルアタック」という強力な技を使えるのだが、第1部の暗黒戦争編、第2部の英雄戦争編ともにエストが仲間になるのは終盤も終盤。もう多くのキャラが上級クラスにクラスチェンジしていてレギュラーメンバーも固定している中、下級クラスのペガサスナイトで、しかも低レベルで登場するのだ。 とてもその時点の強さではレギュラーメンバーに割って入ることはできないため、お試しでトライアングルアタックを何回かやってみて終わりという人も多かったのではなかろうか。 だが、実はエストは成長率が非常に高く、育てることでものすごく戦力になる。しかも第1部、第2部とも、エストが仲間になるマップにはキャラを鍛えることができる闘技場があり、加えてレベルアップ時にステータス上昇率を上げてくれるアイテム「星のオーブ」を持った状態だ。 彼女に思いを定め、時間をかけてゆっくり育てればレギュラーキャラを十分脅かす存在になってくれるのだ。 終盤に仲間になるのでどうしても面倒くさくて育てないという人が多いと思うが、時間をかければペガサスナイト三姉妹がクリアのための大きな戦力となってくれることだろう。 以上、終盤で仲間になるためどうしても日の目を見ることが少ないキャラに焦点を当ててみた。だが、育てようによっては十分に戦力になるキャラもおり、多少弱くてもキャラへの愛情があればきっとクリアへの道は開けるはずである。 早くクリアしたい筆者のようなせっかちな人間にはなかなか向いていないが、そうでなければ今回紹介したキャラを根気よく時間をかけて育成してみるのもよいのではないだろうか。
ふたまん+編集部