アマゾンの空飛ぶ配達で注目 無人機ビジネスの課題と可能性は?
米アマゾンのジェフ・ベゾスCEOが先日、同社が5年以内に無人飛行機を使った新しい宅配サービスを開始する計画があると明らかにしました。ベゾスCEOは「注文から30分以内に商品の配達が完了するシステムを完成させたい」と意気込んでおり、同社の新しい流通戦略に注目が集まっています。この計画が実現するかどうかも含めて、無人機ビジネスの課題と可能性も見えてきました。 [写真付き記事]米軍の無人機攻撃は国際法違反なの?
アマゾンの空飛ぶ配達プランとは?
米アマゾンのこの計画対しては様々な声があがっていますが、アマゾンはすでにオクトコプター(8枚のローターを備えたヘリコプター)の自社開発に成功しています。GPS機能を搭載したオクトコプターで全米各地の物流センターから購入者の住む家に注文した商品が送り届けられます。無人機には5ポンド(約2.2キロ)までの商品を積むことでき、行動半径は10マイル(約16キロ)になると伝えられています。 しかし、クリアしなければならない問題も存在します。全世界でアマゾンを利用するショッピング客は年間3億人超といわれており、アメリカだけで考えた場合も、莫大な数には変わりありません。それだけの顧客に対応できる無人機をアマゾンが用意できるのかは不明ですし、なによりもFAA(連邦航空局)が定めている現行の制度ではまだ特定のエリアのみでしか民間の無人機利用は認められていません。
法整備にはまだ時間がかかる
FAAのフエルタ長官は11月、民間企業の無人機利用解禁に向けたロードマップを発表。2015年9月までに連邦議会がアメリカ国内での民間企業の無人機利用に関する調査を行い、調査結果をもとにして新たなルールを設定したのち、まずは7500機程度の無人機に飛行許可を与える考えを示しています。 しかし、議会による調査はすでに当初の予定から数カ月の遅れを見せています。加えて、地上で無人機の操縦を担当する人員を今から大量に養成できるのか、飛行中の無人機が操縦不能に陥った場合に事故を回避する手段はあるのかといった問題も指摘されており、問題が山積したままです。