チェルヴィニア、ドウデュースが強豪海外馬を迎え撃つ! ルメール騎手が「大きなポイント」と指摘した『4差』【ジャパンカップ/後編】
スターズオンアース、ジャスティンパレスも侮れない
さて他の日本馬だが、マークしておきたいのはスターズオンアース(牝5歳/美浦・高柳瑞樹厩舎)とジャスティンパレス(牡5歳/栗東・杉山晴紀厩舎)の2頭だ。 一昨年の牝馬クラシック二冠を制したスターズオンアースは、剥離骨折や脚部不安に見舞われながらも常に好走を続け、昨年の本レースでイクイノックスの3着、有馬記念でもドウデュースから半馬身差の2着に粘り込んだ。今回は初めて8着という大敗を喫した3月末のドバイシーマクラシック(G1)以来8か月ぶりのレースとなるが、「しっかりと休養をとってから立ち上げた」(高柳調教師)ということで、「状態は上向いている」と話す。先行から差し・追い込みまで、どのポジションからでもレースができる自在性は彼女の強みで、東京のコース〔2・1・3・0〕実績も魅力的であり、あらためて見直したい1頭である。 昨年の天皇賞(春)を勝ってGⅠホースの仲間入りを果たしたジャスティンパレスはそれ以来、勝ち星から遠ざかっているが、宝塚記念(GⅠ)で3着、秋の天皇賞(GⅠ)で2着に好走している。今春は宝塚記念で重馬場に泣いて10着に大敗したが、秋初戦の天皇賞ではやや出遅れながらもドウデュースから0秒3差の4着と、まずまずの立ち上がりを見せた。ひと叩きされて状態が上がっており、杉山調教師は「馬は競馬に向けて力がみなぎっている感じがするので、これならばという気持ちがある」と期待に胸を膨らませている。鞍上には、2歳時のホープフルステークス(GⅠ、2着)以来のコンビとなるクリスチャン・デムーロ騎手を確保したのも強調材料となる。 出走馬をまとめると、人気でも本命はチェルヴィニア、対抗ドウデュースの2頭を軸に据え、一角崩しの候補としてスターズオンアース、ジャスティンパレス、外国馬であるオーギュストロダン、ゴリアットをマークするというのが狙いとなる。 4年連続で3連単が4桁配当であるように、本命サイドで決まることが多いのが近年のジャパンカップ。馬券は絞り込んで少点数にまとめ、久々に来日した海外の強豪との戦いを楽しみたい。 文●三好達彦
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