元テレビ朝日法務部長“東大卒エリート弁護士”のYouTuber奮闘記「毎朝4時半起きで3時間かけて準備」「再生数が気になって土日も休めない」
YouTuberは夢のある職業なのか。後編では昨年5月にチャンネルを開設した「元アナウンサー弁護士」の挑戦を紹介する。東大法学部卒のエリートが半年間寝る間を惜しんで再生数と格闘した結果はーー。(前後編の後編) 【写真】1人住まいのワンルームで毎朝配信を続ける西脇氏 ***
本業は「弁護士」の元アナウンサー
「再生数を気にしながら一喜一憂する日々です」 西脇亨輔氏(54)はYouTuberになってからの半年間をこう振り返る。 1年前まで、テレビ朝日の法務部長として余裕のある暮らしが保障されたサラリーマンだった。だが23年11月、個人的な事情で退職し弁護士事務所を開業した。(退職の経緯については関連記事【三浦瑠麗氏に勝訴した53歳「テレ朝サラリーマン弁護士」が退職して「弁護士事務所」を開業したワケ「正義を貫いて人生を終えたい」】を参照) 西脇氏は東大法学部在学中に司法試験に合格し、司法修習を終えた後、テレ朝のアナウンサーになったという異色の経歴を持つ。 それからは順調にクライアントを増やし、テレ朝時代とまではいかないが人並みの生活を維持してきた。だがその最中に始めてしまった YouTuberという「副業」を投げ出すことができず、想像を絶するような日常生活を送っているのである。
アナウンサー時代の担当番組がヒントに
YouTubeを始めたきっかけは「なんとなく」だったと振り返る。 「独立したばかりで、毎月何か新しいことにチャレンジすることを自身に課していた頃でした。知人に YouTuberをやってみたらと言われ、軽い気持ちでビックカメラに行ってカメラなどの機材を購入しました」(西脇氏、以下同) 最初に手がけたのは、日々起きているニュースを弁護士として解説するというコンテンツだった。 「衆院東京15区補選で問題となっていたつばさの党の選挙妨害や、日本橋髙島屋で1000万円の純金茶碗が盗難にあった事件などを取り上げて解説してみたものの、再生数はイマイチ。もっと注目されるには何かインパクトのあることを始める必要があると考えました」 そんな折ふと思いついたのが、かつて担当していた番組の手法だった。法務部に異動するまでの12年余りのアナウンサー時代、最も長く担当したのが朝の情報番組「やじうまワイド」だった。 やじうまワイドと言えば「朝刊チェック」である。今では朝の情報番組で当たり前となった、朝刊を読み比べながら前日の出来事を解説するあのコーナーだ。YouTuberとしてこの「朝刊読み比べ」を毎朝1人自宅で生配信することにしたのである。