井上尚弥とネリが前日計量クリア 歴史的一戦は6日午後8時24分以降ゴング
プロボクシング興行「Prime Video Presents Live Boxing8」(5月6日、東京ドーム)の前日計量が5日、東京・文京区の東京ドームホテルで行われ、出場全10選手がパスした。 4万人超収容予定の東京ドーム興行は4大世界タイトルマッチを中心に行われ、メインイベントで闘う4団体世界スーパーバンタム級統一王者の井上尚弥(31)=大橋=はリミットより100グラム軽い55・2キロ、元世界2階級制覇王者でWBC世界同級1位のルイス・ネリ(29)=メキシコ=が54・8キロでともに1回でクリアした。井上は初めての4団体王座防衛戦に臨む。 井上が〝戦闘モード〟に入った。計量を一発クリアし、写真撮影を終えるとネリと初のフェースオフ。ネリを至近距離で瞬きもせずに20秒超にらみつけた。 「ここからやっぱりそういう気持ちの駆け引きは始まっているので」 4日の最終会見ではネリと笑顔で握手を交わしたが、この日は握手はなし。闘志を前面に出した。大橋ジムの大橋秀行会長(59)が「怖い顔をしていた。殺気が出ているし、最高の状態」と話すほど気合十分だった。 2018年3月の山中慎介(帝拳)との再戦の前日計量で1・3キロ体重超過して失格となったネリがリミットより500グラム軽い体重で計量をクリアしたことに対しては「余裕なんじゃないですか。しっかりと準備して、管理していた。試合は成立すると思っていた。ネリもビッグイベントで過去最高のファイトマネーをもらうだろうし、しっかりとやってくるというのがあった。心配はなかった」と笑顔を見せて気にしなかった。 昨年スーパーバンタム級に階級を上げて、今回で3戦目。「調整面ではもう3回目っていうのもあるし、なんとなくつかんできた。フルトン戦もタパレス戦もリングの上での支障はまったくなかった。今回もパーフェクト」と万全の仕上がりを強調した。 昨年12月にWBA、IBF統一王者だったマーロン・タパレス(フィリピン)に10回KO勝ちし、史上2人目の2階級での4団体統一を達成した。東京ドームでボクシングの興行が開催されるのは34年ぶり。1988年と90年にヘビー級王者のマイク・タイソン(米国)がメインイベンターを務めたが、日本選手がメインイベントに出場するのは初めてとなる。 選手のファイトマネーや入場料収入、放映権収入などが〝日本ボクシング史上最大〟の興行。井上のファイトマネーは6億円を超えて日本選手史上最高額になる。最後に意気込みを尋ねると「意気込みなんて今聞いてどうするんですか! やるしかないんですよ、やるしかない」と笑顔で言い残して計量会場を後にした。歴史的な一戦のゴングは6日の午後8時24分以降に打ち鳴らされる。