専業指導者たちが切り拓いた岡山の卓球ジュニア育成の現在地<全農杯2024年全日本卓球選手権大会ホープス・カブ・バンビの部 岡山県予選会>
<全農杯2024年全日本卓球選手権大会(ホープス・カブ・バンビの部)岡山県予選会 4月27日(土)岡山県総社市きびじアリーナ> 岡山県。指導者の数もレベルも揃った地域である。 全農杯全日本ホカバの岡山県予選、開会式前の小学生たちのラリーのレベルも高い。 関西、就実、山陽学園と、伝統と実力を兼ね備えた強豪校が存在することも、岡山県の特徴だ。 岡山県卓球協会副理事長の丸川真一さんは、18年前、岡山県で初めて卓球指導を専業にして、卓球クラブ「TCマルカワ」を創設した。 2024年全日本ジュニア女子準優勝の面手凛選手をはじめ、多くの有望選手を岡山から輩出する、ジュニアの名門クラブとなった。 「岡山で卓球選手を育てたかったんです。僕自身も高校生の頃、地元のクラブチームで習って衝撃を受けたので」。
専業の指導者が続いた
その後、ねや卓球クラブの祢屋康介さんら岡山県出身の卓球人も、卓球指導専門の卓球場を開いていく。専業で指導を行うことで、夏休みなどの学校がない時期に、より多くの練習時間を子どもたちに割ける。日中別の仕事をしていればできなかったことだ。 指導者たちの「岡山でスケールの大きな選手を育てたい」という願いと挑戦に応えるように、保護者も協力を惜しまない。電車で通える都市部と違い、車での卓球場送迎が基本となる地域だからだ。 指導者・保護者・子どもが三位一体となった環境で、岡山県の子どもたちの卓球は育てられている。
涙のバンビ男子決勝リーグ
と言いつつ、まだ子どもは子どもだ。 予選リーグを1位通過してきた4人にもかかわらず、全国大会への出場(3人が出場)を懸けたバンビ男子決勝リーグは、誰が泣かずにプレーできるか、我慢の戦いとなった。 落ち着いて試合をすること、普段通りのプレーをすることが、とりわけバンビ世代の子どもたちにとってどれほど難しいことか。 そしてそれを導く指導者たちの気遣いや、もどかしさが手に取るようにわかるのだった。