青酸連続殺人、筧千佐子死刑囚が死亡 78歳、大阪拘置所に収容中
京都など近畿3府県で夫や内縁関係の男性計4人に青酸化合物を飲ませ、うち3人を殺害した殺人と強盗殺人未遂の罪で死刑が確定した筧(かけひ)千佐子死刑囚(78)が26日、死亡した。法務省が明らかにした。大阪拘置所(大阪市)に収容中で、病死とみられるという。 【写真】どんな事件? 青酸連続殺人とは 同省と同拘置所によると、筧死刑囚は、26日午前6時半ごろに職員が見回った際は拘置所の単独室で座っていたが、約1時間後、あおむけの状態のまま呼びかけに応じなかったため、救急搬送され、午前10時に病院で死亡が確認された。 ぜんそくと高血圧、不眠症の投薬治療を受けていたが、前日までは職員と会話し、食事や運動ができていた。死因は特定されていないという。 確定判決によると、筧死刑囚は2012年3月~13年12月、遺産取得を目的に向日市の夫勇夫さん=当時(75)=や、内縁関係だった大阪府貝塚市の男性=同(71)、兵庫県伊丹市の男性=同(75)=に青酸入りカプセルを飲ませて殺害した。07年12月には、約4千万円の返済を免れるため神戸市の知人男性を殺害しようとした。 一連の事件では、京都府警が14年11月、勇夫さんに対する殺人容疑で筧死刑囚を逮捕。その後、4府県警の合同捜査本部が他の男性7人に対する殺人や強盗殺人未遂容疑などで再逮捕、追送検した。勇夫さんを含む4人分が起訴され、残る4人分は不起訴となった。 公判で弁護側は無罪を主張し、認知症を理由に責任能力や訴訟能力も否定したが、一、二審とも死刑が言い渡された。21年6月に最高裁が筧死刑囚の上告を棄却し、死刑が確定した。 筧死刑囚は22年9月、伊丹市の男性の事件について、死因が病死だったとする鑑定書を「新証拠」として提出し、京都地裁に再審請求したが、今年3月に棄却された。即時抗告し、大阪高裁で審理が続いていた。