[バイク乗りには意外と快適?!] 5速MTの軽トラ「スズキ スーパーキャリイ Xリミテッド」をトランポ&ファミリーカーに使ってみた
バイク積載はやや苦戦。奥様の印象は悪くない?
初めてということもあるけれど、XリミテッドにNSRを積むのはちょっと苦戦した。まず、まっすぐに載せるとリヤタイヤが荷台後端からハミ出す(タイヤの接地面は荷台に載っているが)。そこでハンドルを切り返したり、リヤホイールを持ち上げてズラしたりしながら荷台の上でバイクの角度を振っていくのだが、荷台が短いため、この“振る”作業をする余裕が少ないのだ。 より幅広のラダーレールを用意し、最初から角度を付けて乗せるなどすれば大丈夫だろうし、最終的にはタイヤから5cmほどの余裕を残して後部のアオリを閉じられたので、絶対的なスペースとしては余裕はある。しかし編集部のハイエース・スーパーロングのように、サクサク積んでさっさと走り出すことはできない。それは荷台寸法的には当然なのだが、出かけるたびにこれを行うのはちょっと骨が折れそう。朝から少しだけ凹む。 しかし、そんな気持ちもNSRを積んだXリミテッドを眺めているうち霧散した。バイクを積んだトラックって、どうしてこんなにカッコいいのだろう(笑)。この高揚感はバイクが隠れてしまうハイエースでは味わえない。土砂や木材、家畜に魚に野菜に米にビールケース。トラックに積まれるありとあらゆる荷物の中で、もっともイケてる積載物がバイクなことに異論はないだろう。ないですよね? ニヤニヤしていると身支度を終えた奥様が出てきた。Xリミテッドを見て「色がいいね。ここ(ヘッドライト)が黒いのも垢抜けてる」とひと言。助手席に乗せて走り出すと「意外と静かだね」。むふふ。積載にこそ苦労したものの、まずは幸先いいスタートだ。 しかし高速道路に乗ると雲行きが怪しくなってきた。シートのクッションが薄く感じるという。スーパーキャリイは座面のサイドサポートを盛り上げてホールド性を高めるなどの工夫がされるが、それでも距離が伸びるとお尻がムズムズしてくるのは確か。リクライニングできる軽トラは珍しいんだぜ、とフォローするも「リクライニングしないクルマのほうが珍しいよ」とにべもない。 高速道路では80km/hぐらいが直進性などに気を使わず運転できる適切速度という感じ。もちろんもっとスピードは出るけれど、クルマに無理させてる感が出てきてかわいそうだし、乗り手も疲れそうだ。とはいえ高速道路を飛ばすクルマじゃないのは最初から分かっていること。逆に80km/h程度なら、助手席と普通に会話できる静粛性があるのは嬉しい発見だった。 自宅付近の東名川崎ICから御殿場ICまで約100kmの東名高速ドライブは、仕事で使うハイエースや過去のポンコツ愛車など、騒がしいクルマに耐性のある筆者としては“けっこう使えるじゃん”という印象。そして奥様は…シートをリクライニングさせてスヤスヤなので、お尻のクッション性のほかは問題ナシ、ということでOK牧場?!