「秋だから」一念発起して運動を始める人の盲点 酷暑ダメージが残っているまま体を動かすと、いろいろなトラブルの原因に
筋力をつけておくと関節の安定性(スタビリティ)が高まるので、ダイナミックな動きのスポーツや有酸素運動時のケガの予防にもなります。また、運動不足の方にとって健康上優先順位の高い運動です。 筋肉は加齢に伴って年に0.5~1.0%ずつ減少していきます。ましてダイエットなどで食事制限をすると、エネルギーの赤字分を補填するために、ハイペースで筋肉の分解が進んでしまいます。これを防ぐためには、筋肉を増やす努力、つまり筋力トレーニングが必要です。
筋力トレーニングは筋肉に強い負荷をかけることで、筋肉を太く強くさせる運動。筋肉を増やすと体脂肪だけを減らすことができるという、うれしいご褒美もついてきます。 それでは、どこを鍛えたらいいのでしょうか。 胸筋を厚くしたい、腕を太くしたいなど、何か目的がある人は別として、効率よく加齢による筋力低下と、ダイエット目的を達成できるものとして、筆者がすすめるのは、下半身と腰回りの筋肉に効かせる筋トレです。
一般的にダイエットのための筋トレというと、「お腹を凹ませるためにお腹の筋肉を鍛える」と発想しがちですが、それは迷信です。ある部位を鍛えたからといって、その周囲の体脂肪が使われる(燃える)ことはありません。 全身の筋肉は、加齢や食事制限によって少しずつ分解されていきます。ですから、全身を鍛える必要があります。 ■鍛えて効果が高いのは「抗重力筋」 特に重要なのは、下半身の大殿筋、大腿四頭筋、ハムストリングスと、腰の脊柱起立筋、横突棘筋(おうとつきょきん)です。これらは重力に逆らって体を支える抗重力筋で、全身の筋肉の中でもボリュームが大きく、また運動不足で顕著に衰える部位です。
最終ページで下半身を鍛えるスクワット、腰を鍛える背筋運動を後にご紹介します。余裕が出たら、上肢を鍛える腕立て伏せ、腹部を鍛える腹筋運動を加えるとベターです。 それぞれの運動は、「あと2回できる」ぐらいの余裕をもって6~10回繰り返します。その後、1分の休息を挟んで、これを3セット行います。 スクワット、背筋運動、腕立て伏せ、腹筋運動の4種目を行っても、要する時間は20分弱。これを1つのプログラムとして、1~2日の休息を挟んで週に2回行いましょう。