畑山隆則氏 大みそか快勝の堤駿斗に猛烈エール「俺なんか話にならない…内山高志を超えろ!」
レジェンド王者たちを超えていけ! 2024年12月31日に東京・大田区総合体育館で行われたWBA世界スーパーフェザー級挑戦者決定戦で同級9位・堤駿斗(25=志成)が同級14位レネ・アルバラード(35=ニカラグア)に8回TKOで勝利し、挑戦権を獲得。ABEMAの生中継で解説者を務めた元世界2階級制覇の畑山隆則氏(49)は取材に応じ、堤を高く評価し、猛烈なエールを送った。 【写真】この日の解説を務めた内山高志氏と畑山隆則氏 堤は対戦したアルバラードは元世界王者で、14敗しながらもKO負けが1しかないタフガイ。そんな相手に危なげない戦いを展開し、8回に左フックから猛烈な連打を浴びせ、レフェリーがストップで快勝した。見事なフィニッシュに畑山氏は「いい勝ち方でしたね。あの畳みかけ方。世界チャンピオンを思わせる風格」と絶賛した。 堤はスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)の高校7冠を上回るアマチュア13冠の実績を残し、将来を嘱望されたが、プロ入り後は決して順風満帆とは言えなかった。初陣では試合中に両拳を痛めてKOを逃すなど、デビューから3連続の判定勝ち。5戦目の2024年4月の前戦では元世界王者アンセルモ・モレノ(パナマ)を3回KOで破ったものの1・6キロの体重超過を犯し、6か月の資格停止処分を受けた。 汚名返上もかけた今回の一戦は、予定されていた同門の先輩である井岡一翔の世界戦が中止となったことで、急きょ24年を締める大トリ。そこで見事に期待に応えたのは、ホープからスターへの脱皮を思わせた。現役時代は華やかなルックスと攻撃的なボクシングで人気を博した畑山氏と同じ階級でもあり、畑山2世〟誕生も期待してしまう。 しかし、畑山氏は「いやいや、俺なんか話にならない」と謙遜。この日、ともに解説を務めた同階級の世界王座を11度防衛して〝KOダイナマイト〟と呼ばれた内山高志氏の名を挙げ「目指せ内山。内山を超えろ、ですよ。ここで終わりじゃない。今はチャンピオンになってからがスタート。内山チャンピオンみたいな長期政権を作ってほしい。可能性はある」と大きな期待を寄せた。 黄金時代を迎えている日本ボクシング界に新たなスーパースターが誕生するか。
洪経人