【マレーシア】アミタ、政府系企業とバイオマス事業で提携
資源リサイクル事業などを手がけるアミタホールディングス(HD、京都市)は10日、マレーシアの政府系コングロマリット(複合企業)UEMグループ傘下企業と戦略的提携を締結したと発表した。バイオマス資源の利活用に関する事業性調査を実施する。2~3年以内に包括的な利活用事業の確立を目指す。 アミタHDは海外統括会社であるアミタ・サーキュラーデザインを通じ、UEM傘下の再生可能エネルギー事業者セネルギSEAと戦略的業務提携に関する基本合意書を締結した。締結は今月2日付。 両社は、マレーシア国内で未利用バイオマス資源の利活用事業に関する事業性調査と事業モデルの開発を行う。パーム油の製造工程で排出されるパームヤシの空果房(EFB)などを代替燃料にし、地場企業や日本に供給する事業モデルを検討する。EFBブリケット(固形燃料)製造工場の共同出資に関しても調査する。 提携先となるセネルギSEAは、パーム油生産企業との連携などを通じて、パーム搾油工場で排出される廃液からメタンガスを回収・発電する事業を展開。国内最大となる12.8%のシェアを持つ。 ■インドネシアへの展開視野 マレーシア政府は、2050年までにバイオマス燃料の容量を35億リットル、バイオマスとバイオガス発電の容量を1.4ギガワットに増量することを目標に掲げる。また、シンガポールやタイで炭素税の導入が進んでおり、マレーシアでも同様の動きが見込まれることから、企業の脱炭素化が課題となっている。 その中で、パーム油の生産量が世界2位のマレーシアではEFBが年間1,900万トン発生し、その多くが素材の硬さや成分の問題で農園に放置されている。アミタHDは、2~3年以内にこうした未利用バイオマス資源の包括的な利活用事業の確立を目指す。また、同様の課題を抱えるインドネシアへの水平展開を視野に調査・検討を進める。