10月から大学生の息子も「児童手当」の対象になるって本当ですか? 22歳まで支給されるのでしょうか?「誤解されやすいポイント」を解説
児童手当は、子育て世帯に対して一定の金銭的支援を行う制度です。2024年10月から支給要件が緩和され、「大学生になった子どもも支給される」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。しかし、「大学生でももらえる」というのは誤解されやすいポイントです。 本記事では、大学生の子どもがいる家庭に向けて、児童手当の支給要件や年齢制限について解説します。 ▼「3人目3万円」に思わぬ落とし穴! 2024年12月に前倒しになった「児童手当拡充」の注意点
2024年10月からの児童手当の改正点
児童手当は2024年10月から制度の一部が改正されており、改正のポイントとして次の3点が挙げられます。 1. 所得制限の撤廃 2. 支給期間を「中学生まで」から「高校生年代まで」に延長 3. 第3子以降の支給額を3万円に増額 変更前後の児童の年齢と支給金額をまとめると、図表1のとおりです。 図表1
こども家庭庁 児童手当制度のご案内を基に作成 ポイントの2番目にある通り、児童手当が支給される対象は、従来は子どもが「0歳から中学校卒業まで」でしたが、改正後は高校生年代までに拡大されています。
「22歳まで支給される」というのは誤解
改正後の対象は高校生年代までですが、「22歳まで対象になる」という誤解をしている人もいるようです。なぜこのような誤解が生まれたのでしょうか? 原因として、改正のポイントの2番目と3番目の情報を混同している可能性が考えられます。 ポイントの2番目のとおり、2024年10月の改正後において、児童手当の対象は高校生年代までです。 一方、ポイントの3番目の「第3子以降の支給額を3万円に増額」ですが、これは子どもを3人以上同時に扶養している場合、第3子以降の子どもに対する児童手当を月額3万円に増額するという意味です。 そして、この「第3子以降」のカウント対象の年齢が、従来は「18歳年度末」だったのが、「22歳年度末」まで延長されました。 どういうことなのか、事例として、11歳の小学生と16歳の高校生、19歳の大学生がいる家庭で考えてみましょう。制度変更前においては、18歳以下の子どもが2人というカウントになるので、11歳の小学生に対して「第3子以降」の割増は得られませんでした。 しかし、制度変更後においては、22歳以下の子どもが対象となるので、19歳の大学生についても子どもの数としてカウントされ、11歳の小学生に対して「第3子以降」の割増が受けられます。 このように、今回の変更において、18歳から22歳までの子どもも対象になるというのは、「第3子以降」のカウントで使用される「児童の兄姉等」の範囲のことです。これを、児童手当の支給対象と誤解してしまうと、「22歳まで支給されるの? 」という疑問が生まれてしまうようです。
まとめ
22歳の息子がいても、児童手当の対象にはなりません。児童手当は高校生年代までが対象であり、22歳以下で扶養している子どもの数によっては、高校生以下の子どもについて割増された児童手当が受け取れます。 正確な情報を理解し、児童手当を効果的に活用し、子どもが安心して学業に励める環境を整えましょう。 出典 こども家庭庁 児童手当制度のご案内 政府広報オンライン 2024年10月分から児童手当が大幅拡充! 対象となるかたは必ず申請を こども家庭庁 「第3子以降」のカウント方法について 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部