「届いていない人が沢山いる」27歳市長がHPVワクチン接種へ…あと半年で終了「無料のキャッチアップ接種」「男性の接種」を産婦人科医にきいた
■男性も打つべき?世界では無料の国も──
髙島市長 「私は男性なので、子宮けいがんになるリスクはないと思いますが、それ以外のがんも予防できる可能性があるので、私個人としては接種を考えてもいいかなと思ったんですけど、男性が打ったら良くないことはありますか?」 稲葉医師 「全くないです。男性の場合は自分の病気の予防という意味では中咽頭がん、肛門がん、陰茎がん、尖圭コンジローマの予防につながります。推奨される年代は女性と同じで、初めての性交渉前に接種するのが一番有効です。ただ、日本ではまだ男性は9価の適用がなく、臨床試験中なので、何年かしたら男性も9価が打てるようになると思います」 髙島市長 「私はアメリカに留学していたのですが、留学するときって大量の予防接種のリストが渡されるんです。その中にHPVも実はありました。その時は『推奨』であって『必須』ではなかったですけど、そういう意味では接種が海外で広がっているということなんですね」 稲葉医師 「そうです。もう40~50か国で男性も無料で打てるようになっているんですね。特に先進国は子宮けいがんが着々と減り始めている中で、日本だけ子宮けいがん患者さんが増え続けています。でもオーストラリアでは2028年にはほぼ撲滅されるだろうといわれています」 「日本は制度に恵まれていて、希望すればワクチンも子宮けいがん検診もそんなに大きな負担なく予防策を取ることができるのに、ちゃんと伝わっていないという理由で子宮けいがんになる女性が減らないというのは産婦人科医としては心苦しいです」
■「未来を自分の手で守るために自分の考えに自信を持って」
髙島市長 「中高生と話すことがあるんですが、自分では色々情報を調べて『打ってもいいかな』と思っているけれど、親御さんが『危ないんじゃないの?』と話されるケースもあります」 稲葉医師 「親御さんは11年前の報道を覚えているので不安になって当然です。一番身近な親御さんから『やめといたら?』とか言われると心配になりますが、自分の体、未来を自分の手で守るために自分の考えに自信を持っていいと思います。それでも親御さんから『やっぱりちょっと…』と言われた時は、(親御さんと)一緒に婦人科に行って話をきくのがいいと思います」