「届いていない人が沢山いる」27歳市長がHPVワクチン接種へ…あと半年で終了「無料のキャッチアップ接種」「男性の接種」を産婦人科医にきいた
■9月中に考えたい“キャッチアップ接種”
髙島市長 「改めてキャッチアップ接種とは何か、教えてください」 稲葉医師 「HPVワクチンの積極的勧奨が一時中止されていた期間に接種機会を逃した方々(1997~2007年度生まれの女性)に、無料で接種できる機会を特例で設けているものです」 「2013年に(法律で接種を勧める)定期接種になったあたりで、接種した後に例えばしびれが出るとか、歩けなくなったとか、何人もそういう訴えがあって、それがかなりセンセーショナルに連日のように報道されました。それを受けて厚生労働省が、一時的に接種対象者に予防接種のお便りを送らないことにしたのです。そのため、もともと70%くらいあった接種率が、0.6%まで下がってしまいました」 「その間の国内外の研究で安全性が確認されて、2022年度から本格的に再開したのち、接種の機会を逃してしまった方たちに無料で接種できる特例が3年間設けられました。今年が最終年度です」
髙島市長 「3月末までであれば、公費で自己負担なく受けられるんですよね。通常の接種間隔だと、半年間で3回受けられます。つまり、3月から半年前の9月末までに1回目を打ってくださいと言ってきたと思うんですね。3回分自費だといくらぐらいかかるんですか?」 稲葉医師 「10万円ぐらい。1回、2回打つだけでも打たないよりは圧倒的に効果があるので、『今から接種券を取り寄せたけど10月になっちゃった』とかいう場合でも諦めずに接種しに行っていただければと思います」 髙島市長 「やはり不安と思う声も多いと思います。実際どうなんですか?」 稲葉医師 「多くは『機能性身体症状』と説明されています。私たち人間って思っている以上に心と体が密接に関連している生き物で、心にすごい負荷がかかると、思いもかけないような身体症状として表れることがあるというのは、ワクチンがこの世に誕生する前から知られていることでした」 「『予防接種関連ストレス反応(=ISRR)』という概念があるんですけど、これも一部あるとは言われていて、接種の時の不安や痛みがきっかけとなって動悸がしたり、過呼吸になったりという症状が出る方もいます。ですが、それがほとんどだとすると(症状が出る頻度に)有意差が出るはずで、有意差がないということは(接種後の症状の多くは)機能性身体症状で、一部がISRRだろうと言われています」