「届いていない人が沢山いる」27歳市長がHPVワクチン接種へ…あと半年で終了「無料のキャッチアップ接種」「男性の接種」を産婦人科医にきいた
子宮けいがんの原因となるウイルス、HPVに感染しているのは女性だけではありません。27歳の髙島崚輔市長(芦屋市)は、自身もHPVワクチンを接種しようと考え、産婦人科専門医の稲葉可奈子氏に話をききました。 *Podcastできく*【HPVワクチン】27歳市長が接種へ…終了迫るキャッチアップ接種や男性の接種「届いていない人が沢山いる」|TalkGender
■「日本では約8割が一生に一度は感染」HPVって何?
兵庫県芦屋市 髙島崚輔市長 「改めて、HPVワクチンについて、いろんなことをぜひ専門的な観点からうかがえればと思います。そもそもHPVとは何ですか?」 産婦人科専門医 稲葉可奈子氏 「HPVはヒトパピローマウイルスの略で、主に性交渉で感染するウイルスです。日本では8割くらいの方が一生に一度は感染することがあります。HPVが原因で、子宮けいがんや中咽頭がん、肛門がんなどのがんを引き起こすことがあります」 「HPVワクチンは新たに感染するのを防ぐもので、もし接種する時点でウイルスに感染していたら、それらに対しては特に効果がないのです。なので、初めての性交渉よりも前に接種すると一番有効性が発揮されるといわれています」 髙島市長 「小学6年生から高校1年生の期間に接種が推奨されていますが、最初の性行為の前がその期間だろうということで区切られているんですね」 稲葉医師 「そうです。HPVワクチンは、この世に誕生してから30年、40年と経っているワクチンではありません。今リアルデータで15~16年はその効果が持つということがわかっていて、シミュレーション上は20年以上持つと考えられています。だから、思春期ぐらいに接種すると、アクティビティーが高い年代はカバーされるでしょう。もし今後、生涯免疫が維持されるとわかったら、『赤ちゃんの時の予防接種でまとめて打ちましょう』みたいなことになる可能性もなきにしもあらずです」
髙島市長 「逆に言うと、HPVというウイルスに既に感染している人には意味がないということなんですか?」 稲葉医師 「女性が今接種できる一番有効なワクチンが9価のワクチンで、9タイプのHPVの感染を防ぐことができるんですけど、9種類全部に感染する方ってまずいないので、既に性交渉の経験がある方も接種して大丈夫だし、感染しているかどうかを事前に検査で調べる必要もないです」 髙島市長 「たとえ性交渉の経験があって、HPVに感染していたとしても、ワクチンの意味がないってことではないと」