「咽頭結膜熱」「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」が流行中 過去10年間で最多の感染者数
国立感染症研究所が発表した2023年11月26日までの1週間の調査で、咽頭結膜熱や溶連菌感染症の一種の感染者数が過去10年間で最多となっていることがわかりました。このニュースについて中路医師に伺いました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
咽頭結膜熱などの感染状況は?
編集部: 国立感染症研究所が公表している、感染症発生動向調査週報で明らかになった咽頭結膜熱や溶連菌感染症の一種、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の流行状況について教えてください。 中路先生: 国立感染症研究所は、感染症発生動向調査週報のデータを公表しています。 今回取り上げる咽頭結膜熱は、プール熱とも呼ばれているので耳にしたことがある人も多いと思います。2023年11月20日~11月26日までの1週間に全国およそ3000の小児科の医療機関から報告された咽頭結膜熱の患者数は、前週より771人多い1万1139人となりました。1医療機関あたりの患者数は前週を0.24人上回って3.54人となり、過去10年間での最多を6週連続で更新している状態です。都道府県別にみると、1医療機関あたりの患者数が最も多いのが北海道の7.99人、次いで福岡県の7.24人、福井県の6.48人、佐賀県の5.96人、奈良県の5.91人、三重県の5.56人などとなっており、26の都道府県で国の警報レベルの目安となる3人を超えている状況になっています。 また、溶連菌感染症の一種、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の患者数も増加傾向にあり、2023年11月26日までの1週間に報告された患者数は前週から253人増えて全国で合わせて1万2146人、1医療機関あたりでは3.86人となっており、こちらも過去10年間で最も多くなっている状況です。都道府県別でみると、鳥取県が国の警報レベルの基準となる1医療機関あたりの患者数8人を超えた9.53人となっています。続いて宮崎県が7.06人、千葉県が6.1人です。