町田DF鈴木準弥「経験は今も生きている」 折れない心教わった古巣・FC東京との国立対決を前に感謝
J1FC町田ゼルビアは9日、ホームFC東京戦を国立競技場で開催する。昨季途中までFC東京に所属したDF鈴木準弥(28)は、今季前半に果たせなかった古巣との対戦へ闘志を燃やしている。 「チームが苦しい状況ではあるけど、シンプルに楽しみな一戦でもある。国立で向こうは強く、自分たちは結果を残せていない。それでも同じ東京のクラブで国立という大舞台で、たくさんの方が見に来られる見どころのある試合だと思う」 鈴木はFC東京で出場機会を減らしていた昨年7月に町田に移籍し、右サイドバックとして加入後全17試合に出場。ロングスローやプレースキックの担い手として、J1昇格に大きく貢献した。 今季も序盤はチームのJ1初得点や初勝利を呼ぶ決勝アシストと活躍。しかし2―1で勝った4月のアウェーFC東京戦は、ベンチで最後まで出番が訪れなかった。「ゼルビアに来てから、初めて1分も出られなかった試合。選手として悔しさがありつつ、チームは勝てて、J1選手として戻ってきた喜びもあった」。この試合で決勝アシストを決めた同ポジションの新人DF望月ヘンリー海輝の台頭もあり、以降は徐々に出番が減っていた。 自身の現状を、鈴木はFC東京でもがいていた時期と重ねる。「黙々と準備を続けるベテラン選手や、メンバー外で一緒に頑張ってきた仲間、支えてくれたスタッフがいて、僕はFC東京で成長できた。その経験は今も生きていて、出た時に何ができるか常に想定しながら過ごしている。そこに目を向けて、ポジティブに頑張れている」 ここ5試合で勝利から遠ざかる町田は、敗れると初昇格優勝が消滅する。それでも黒田監督が「負けを引きずる必要はない」と話すように、初挑戦のJ1で3位という状況は決して下を向く成績ではない。選手として苦しさを味わったはずの古巣へ感謝を忘れない鈴木が、国立のピッチで思いを表現する。