Magic Leap創業者の「AIスタートアップ」が30億円のシード資金調達
MR(複合現実)ヘッドセットを開発するMagic Leap(マジックリープ)を創業したロニー・アボヴィッツが新たに立ち上げたSynthBee(シンセビー)は10月16日、2000万ドル(約29億9000万円)のシード資金を調達したと発表した。 サイバーセキュリティ分野に強みを持つベンチャーキャピタルのクロスポイント・キャピタル・パートナーズが主導したこの投資は、シンセビーの成長と独自のコンピューティング・インテリジェンス・プラットフォームのさらなる開発を支援することを目的としている。 テック起業家としての確かな実績を誇るアボヴィッツが設立した同社は、企業の生産性の向上に注力する企業で、知的財産やノウハウを保護しつつセキュリティや透明性、スケーラビリティを重視していくという。アボヴィッツは、2004年に設立した手術支援ロボットの開発企業MAKO Surgical(メイコー・サージカル)を、2013年に医療テクノロジー企業のStryker(ストライカー)に16億5000万ドル(約2470億円)で売却したほか、空間コンピューティングのリーダーであるマジックリープの創設者として最もよく知られている。 シンセビーは、コンピューティングインテリジェンスを活用し、さまざまな分野で人間の創造力と問題解決能力を向上させ、イノベーションを安全かつ効率的に加速させることを目指している。 クロスポイント・キャピタルのマネージングディレクターを務めるアンドレ・フエッチは、「シンセビーは、企業のイノベーションの在り方を変革しようとしている。アボヴィッツのビジョンは、人間の創造性と問題解決能力を向上させ、潜在能力と成果を高めるだろう」と述べている。 大規模な人工知能(AI)の倫理面とガバナンスの問題が批判を浴びる中で、シンセビーは、この市場の課題に対するソリューションを提供しようとしている。アボヴィッツは、同社が現状のAIシステムに存在する構造的および倫理的な問題を克服することに焦点を当てており、企業や開発者コミュニティのために、より民主的なコンピューティングのフレームワークを構築していくと述べている。 すでに複数のフォーチュン500企業を顧客に抱えるシンセビーは、新たな資金でチームを拡大する計画だ。同社はテクノロジー分野のトップ人材を積極的に採用している。
Charlie Fink