写真は時代の証明 時代の顔を撮り続けたい ── 写真家・加納典明が語る
生きている限り僕は、写真を通して社会に訴え続けるだろうね
──写真に対する典明さんの変わらぬ情熱、想いは一体どこから来るんでしょうか? いやだってさ、浮世絵文化を作った日本だよ? 春画を文化として受け入れていた国だよ? そんな日本があるんだよ。その当時の日本に影響された国がどれだけあると思うの? 写真は時代の証明なんですよ、記録という。写真は記録する。記録は時代の証明であると。徳川慶喜も写真が好きで撮ってますよね。あの時代、江戸の末期から外国人が黒船に乗って日本に入ってきていていろんな写真を撮っているわけ。芸者さんとか。こんな日本があったのかと、我々日本人はその記録写真や映像を通して初めて知る。小説とか文献の江戸、明治維新があるけど写真が一番、百聞は一見にしかず。時代を証明している。想像も含めてね。 だから、いまの日本が置かれている状況を考えると、あらためて今っていろんな意味で狂っていると思うよ。表面には浮いてこないヨレというか、クレイジーだよね。でも、生きている限り僕は、写真を通して社会に訴え続けるだろうね。このスタンスは、ブレないよ。なんでかって?やっぱりベトナム戦争とか東大闘争なんかがあったあの時代に青年期だったから、自分にインプリントしたガッツというかな、スピリットが今も不変なんだよ(笑)。