チーズと合わせれば栄養最強に!チーズにちょい足しすべき食材を管理栄養士が解説
ミルクの風味がたっぷり詰まったチーズは、おいしくて栄養豊富な食べ物です。しかし、実は不足している栄養成分が存在します。そこでこの記事では、チーズと組み合わせることで栄養バランスを整えられる食材を紹介します。おすすめのレシピも取り上げるので、ぜひ作ってみてくださいね。 〈写真で見る〉チーズと合わせれば栄養最強に!チーズにちょい足しすべき食材は ■チーズの栄養を知ろう チーズは、牛乳の栄養成分が凝縮された食べ物です。そもそもチーズは、牛乳に乳酸菌や酵素を加えることで成分を固めて作られます。この過程で牛乳由来の水分が取り除かれるため、栄養成分が凝縮されるのです。したがって、チーズを食べると効率よく栄養を摂取できます。 チーズに豊富な栄養素は、次のとおりです。 ・たんぱく質 ・カルシウム ・ビタミンA ・ビタミンB2 たんぱく質は肌や髪、筋肉、内臓など人の体を構成する成分です。体の機能を調整する酵素やホルモン、体を感染症から守る抗体の材料にもなるため、毎日の十分な摂取が必要です。 たんぱく質はアミノ酸で構成されていますが、チーズには食品から摂取しなければならない9種類の必須アミノ酸がバランスよく含まれています。さらにチーズに含まれるたんぱく質は、発酵や熟成により分解されることで、消化吸収されやすい形になっています。 カルシウムは骨や歯を形成するミネラルですが、基本的に吸収率があまり高くありません。しかし、乳糖や消化過程で作られるカゼインホスホペプチドの作用により、チーズのカルシウム吸収率は高いと考えられています。 ビタミンAは目や喉、鼻などの粘膜、肌の健康維持に働く栄養素です。ビタミンB2は脂質の代謝をサポートします。ほかにも数多くの栄養成分が含まれているチーズは、栄養価が高い食べ物といえます。 ■チーズはフルーツと組み合わせて栄養価アップ! ところが、チーズにも不足している栄養成分があります。それがビタミンCと食物繊維です。 ビタミンCはコラーゲンの生成をサポートし、肌や血管、筋肉などを健やかに保ちます。老化や生活習慣病を防ぐ抗酸化作用も、ビタミンCに期待できる働きのひとつです。食物繊維は、腸内環境の改善や食後血糖値の上昇抑制、コレステロールの排出などに役立ちます。 ビタミンCと食物繊維を補うためにチーズと一緒に食べたいおすすめの食材は、フルーツです。フルーツには、ビタミンと食物繊維が豊富に含まれています。とくに秋から冬にかけては、ビタミンCをたっぷり含むフルーツが旬を迎える季節です。チーズと一緒にフルーツを食べて、秋冬を元気に乗り切る栄養成分をしっかり摂取しましょう。 ■チーズとフルーツのおいしい栄養満点レシピ おすすめのチーズとフルーツの組み合わせと、おいしく食べられる簡単レシピを紹介します。 柿は意外とビタミンCが多い果物です。成人におけるビタミンCの摂取推奨量は1日あたり100mgですが、柿1個(200g)には90~130mgものビタミンCが含まれています。柿はクリームチーズと合わせて、間食やおつまみにぴったりな一品を作りましょう。 作り方は、皮をむいて一口大にカットした柿、常温に置いてやわらかくしたクリームチーズ、塩ひとつまみを和えるだけ。柿のやさしい甘みとクリームチーズの酸味が、互いの味を引き立てます。さらに、砕いたナッツやはちみつを混ぜてもおいしく食べられます。 ビタミンCが豊富なフルーツといえば柑橘類です。おすすめは金柑とモッツァレラの組み合わせ。金柑5個(85g)には約40mgのビタミンCが含まれています。また、金柑は皮ごと食べられるため調理の手間がかからず、食物繊維も摂取できます。 ヘタを取った金柑を横半分にカットして、種を取り除きましょう。手でちぎったモッツァレラとともに器に盛り付け、オリーブオイルと塩、粗びき黒こしょうをかければ、カプレーゼ風のひと品のできあがりです。金柑の甘酸っぱさがミルキーなモッツァレラとよく合います。 味も栄養も相性抜群なチーズとフルーツで、ちょっとおしゃれに栄養補給してみましょう。 【参考文献】 一般社団法人Jミルク「牛乳とカルシウム」 上西一弘 生活協同組合研究 2019年10月号「牛乳・乳製品と健康」 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」 ライター/いしもとめぐみ(管理栄養士)
いしもとめぐみ