ラストのせりふは「最初から決まっていた」 チーフ演出が語る「光る君へ」最終回
クライマックスに向けて存在感を増していたのが、武者たちだ。第46回の刀伊の入寇では武者が活躍し、敵を撃退した。「道長が亡くなった万寿4年の翌年に平忠常の乱(長元元年/1028年)が起きるという点に着目しました。それを見通した時に、道長の死後、まひろが、武士の時代の気配を感じて終わる方がいいんじゃないかと思ったんです。最初から、ラストシーンは、『道長様、嵐が来るわ』って言って終わりましょうっていうのは決まっていたんです」
■「チャレンジングな企画」
大河ドラマの定番である合戦シーンはほぼなかったが、平安時代の貴族社会を生々しく描き、細やかな感情を追った人間ドラマとして、新たな可能性を示した。「文学者を、戦いをしない人物を主人公にした大河ということで、チャレンジングな企画になったんじゃないかなっていう気はしています」
総集編は、29日に放送予定。(油原聡子)
◇なかじま・ゆき 1992年NHK入局。連続テレビ小説「ウェルかめ」「スカーレット」など多くのテレビドラマの演出を担当。大河ドラマは「秀吉」「平清盛」の演出に関わった。