「夫を育てるなんてムリだと早々に悟り」元TBSアナ・青木裕子 結婚11年で達した境地「完璧なパパなんていないからこそ」
青木さん:出産や入園など、いろんなイベントを経験して、お互いの距離感や役割分担がだんだんわかってきました。最初はお互いの意識の違いを何度も感じました。たとえば、子どもたちが1、2歳のころ、節分の日に夫が出張でいなかったことがあります。私はどうしても豆まきがやりたかったのですが、子どもたちを抱えながら、鬼役ができませんでした。困っていたら、友人がご自宅での豆まきに参加させてくれて節分行事ができました。そうしたら後日、夫が「じつは節分の日は仕事を早めて帰ることができた」と、ポロッと言って。これには私、けっこう怒りました。さらに夫は「その日、食事に行ったけど、遊んでいたわけじゃなく、健全に過ごしていたから」と言い訳したのですが、そこがポイントじゃない!と(笑)。
子どもにとってほぼ初めてとなる節分の行事を、私がどれだけ家族みんなで迎えることを楽しみにしていたか、季節行事や思い出を大切にしているかを理解してほしい、と伝えました。それ以降、夫はできる限り学校行事の日は仕事よりも優先するようになりました。自分では「当たり前」と思うことも、夫婦でしっかりすりあわせしようと、思いましたね。
■「夫の面倒は見ません」昼食も作らない理由とは ── 意識のすり合わせは、本当に大切ですね。ご主人との関係で、決めていることはありますか?
青木さん:極端な言い方になりますが、私は夫の面倒はみません。具体的には、夫のスケジュール管理や旅行の持ち物などには関与しませんし、日中、2人で家にいるときも、わざわざ夫のための昼食は作りません。彼はロケで全国を巡っていてご当地レトルトカレーを買ってきては、家で食べるのが楽しみなようですし、それぞれの食べたいタイミングもあります。私がひとりでやりたいことがあるというのも理解してくれていますし、もともと私たちはお互いひとりで平気なタイプみたいです。
── それぞれのペースを尊重しているんですね。ご主人との距離感は、理想かもしれません。ほかには? 青木さん:よく子育てを通して「夫も育てる」と聞くことがありますが、こんなに子育てが大変なのに、夫まで育てるなんてムリだと早々に悟り、私は夫を育てない、と決めました。 彼はちゃんと仕事ができるのだから、家庭や子育てについてもこちらがわざわざアドバイスする必要はないですし、もう50年も生きてきた人の根本的な考え方を変えるなんてできませんよ。