「運動をしているアピール」が負担になる…健康志向が高じてメンタルに影響が出る人が増えていることが英研究で明らかに
9月中旬、イギリス版ウィメンズヘルスの編集部は、人々がフィットネスのデータをオンラインで共有することの影響について話し合った。ランニングアプリの『Strava』やパフォーマンス管理アプリの『WHOOP』からワークアウトの結果を投稿するのは、ワークアウトそのものと同じくらい重要なことに思えるけれど、受け取る側にとってはよい刺激? それとも精神的なプレッシャーを感じる原因? 【写真】夕食後に毎日15分歩いたら起こった5つの変化 ※この記事はイギリス版ウィメンズへルスからの翻訳をもとに、日本版ウィメンズヘルスが編集して掲載しています。 ルルレモンのグローバル・ウェルビーイング・レポート2024によると、受け取る側の約3分の2は後者のように感じていた。世界15か国、1万6000人を対象とした同調査では、参加者の89%が1年前よりウェルビーイングの向上に積極的であると答えた。しかし、参加者の61%は健康に見えなければならないという社会の期待が精神的なプレッシャーになっていると感じており、2人に1人はウェルビーイングのバーンアウトを経験していることも判明した。このことからルルレモンは、同社のプレスリリースで「ウェルビーイングを執拗に追い求めるあまり、人々の健康が悪化している」と結論付けた。 この悪循環を助長しているものとして、同社のレポートは3つの主要な“プレッシャーポイント”を挙げている。この3つとは、非現実的な社会の期待(参加者の61%が指摘)、ウェルビーイングを改善する方法に関する情報の矛盾(53%)、孤独(89%)だった。 厳しい状況ではあるけれど、この問題を解決する糸口が何もないわけじゃない。ルルレモンによると、次の3つのアクションは、この悪循環を断ち切るのに役立つそう。 SNSから少し離れる。今回の調査でも、そうしている人はウェルビーイングが9%高いという結果になった。 さまざまな方法で体を動かす。今回の調査でも、何らかの形で軽い運動(短い散歩や10分間のヨガなど)をする人はウェルビーイングが16%高かった。 運動を通して人とつながる。今回の調査において、人と一緒にトレーニングをしている人はウェルビーイングが23%高く、地域社会とのつながりを強く感じている人はウェルビーイングが16%高かった。さらに、他者とのトレーニングを通して帰属意識を感じている人は、ウェルビーイングが21%高かった。 ルルレモンのメンタルウェルビーイング・グローバル諮問委員会のメンバーで、米デューク大学のムラリ・ドライスワミ博士は次にように述べている。「ウェルビーイングを向上させなければならないというプレッシャーから、考えすぎたり、自分の生活に欠けているものに固執したりすることはよくあると思います。そんなときは、段階的で達成可能な目標を設定し、ウェルビーイングの追求をストレスの原因から喜びと楽しみの源に変えましょう」 冒頭の社内ミーティングでは、結局のところ大事なのは運動の目的であるという話になった。トレーニングをする目的(ストレス解消、筋肉強化、友達づくりなど)がハッキリすれば、心も体もいまよりヘルシーでハッピーになれるはず。他人のデータのことなんか忘れてしまおう。