日常の軸に据えるのは「AJA」(A=遊びに行ける、J=城西に、A=会いに行こう)の精神 鹿児島城西高校がホームでプレミアリーグを戦う意味 高円宮杯プレミアリーグWEST 鹿児島城西高校×ファジアーノ岡山U-18マッチレビュー
ゴールが決まれば、子どもたちは思い思いのパフォーマンス。得点者の名前は、実況が大きな声でアナウンスする。ここでもピッチの中は、笑顔、笑顔。「子どもと触れ合うことで“教えること”の大切さを学べて、とてもありがたい経験をさせてもらっています。『こうやったらいいよ』というような言葉掛けを考えたりすることで、スクールを通して自分も成長できているのかなと思います。一緒にボールを蹴るの、凄く楽しいです!」(北川)。最後は参加した子どもと選手とスタッフ全員で記念写真。きっとこの日のスクールでボールを蹴った少年たちは、またこのグラウンドに帰ってくるはずだ。
サッカー部以外の部活の生徒たちも、ホームゲームを盛り上げている。キックオフ15分前にはダンス部が登場し、ピッチの中央でパフォーマンスを披露。試合中は女子生徒が放送係を務めつつ、吹奏楽部の重厚で軽快な演奏に合わせて、チアリーディング部も華やかにピッチサイドを彩ってみせる。
メガホンを持って声援を送る応援団にも、スクールに参加していた子どもたちも含めて、サッカー部員以外の顔ぶれが。しかも“トラメガ”を持って一番会場を盛り上げていた1人は野球部員だということで、ディフェンスリーダーの當眞竜雅も「シンプルに違う部活なのに、アレだけ盛り上げられるのは凄いなと思いました」と笑う。このあたりに学校自体が有する雰囲気の良さも垣間見える。
この日の対戦相手のファジアーノ岡山U-18を率いる梁圭史監督も、試合前に「今日は声が通らないと聞いてきました」と話していた。実際に応援の音量と熱量は、間違いなくプレミアリーグの会場でも屈指のレベル。醸し出される“圧倒的ホーム感”がピッチに立つ選手の背中を後押しする。
スタンドにも少なくない観衆が詰めかけていたが、選手の保護者はもちろんのこと、この地域で暮らしている方々も観戦に訪れてくれるという。なぜならサッカー部は普段から積極的に、主体的に、さまざまな地域貢献活動へ取り組んでいるからだ。
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