鈴鹿8耐のバニャイア参戦に現実味。加賀山就臣監督「今年もオファーしていた。マルケス兄弟を呼ぶのもいいかな」
■ドゥカティのMotoGPライダーは鈴鹿に来るのか
チームは初年度から表彰台争いに加わることができることを確認。さらに最初のスティントでは水野涼がトップを奪うなどのパフォーマンスを見せ、レース中のベストラップは4周目の水野の2分07秒282などインパクトのある走りを披露した。 さらに鈴鹿8耐期間中は「現場をパオロ・チャバッティが視察しに来てくれて、(フランセスコ・)バニャイアが鈴鹿8耐に出たいと言ってるのも確かだし、SNSでチャバッティの投稿にバニャイアが『来年のために準備しておいてね』というコメントがありました」と嬉しい出来事もあった。 では、本当にドゥカティのMotoGPライダーが2025年の鈴鹿8耐に出場することはあるのだろうか。 「(DUCATI Team KAGAYAMAが)ライダーを受け入れる状態になっていくのか、それこそドゥカティ・ファクトリー・チームが来るのかはまだまだわからないけど、何かを一緒にするのはもう間違いありません。去年からその計画で進めているし、数名のMotoGPライダー、それからWorldSBKライダーが出たいって言っているのは確かです」 「イタリア本社も認めているけど、ジジ(・ダリーニャ)から『MotoGPとWorldSBKライダーが出たがっているから、いろんなことを情報提供してくれ』とは言われています。来年は1台なのか2台なのかわからないけど『ドゥカティ祭』が必ず起きると思います」 さらに、2024年の鈴鹿8耐でもMotoGPライダーを呼ぶ予定があったようで、「当然今年もオファーしていたからね」と加賀山監督は明かした。バニャイアは結婚式をその週末にスケジューリングしていたため、来日は叶わなかったが、参戦していた可能性はあったのだ。 「第一にMotoGPライダーに声をかけてはいたけどスケジュールの関係で来られない、WorldSBKライダーはレースが被っていて来ることができないという事情で、別の戦略でハフィス・シャーリンとジョシュ・ウォータースを起用しました」 「マルケスという手もあったけど、いろんなことを考えると交渉するところまでいきませんでした。(来年は)マルケス兄弟を呼ぶのもいいかなと思います。彼らが出たがっているかはわからないけど、VR46絡みのイタリア人ライダーたちはやっぱりバレンティーノ・ロッシという師匠が成し遂げたことを自分もやりたいらしい」 上述のように、2025年の鈴鹿8耐は全員ではないだろうがバニャイアのみならず、マルケス兄弟やファビオ・ディ・ジャンアントニオ、フランコ・モルビデリも出場する可能性があることが伺える。 2001年にロッシが優勝したことでMotoGPライダーが参戦したいという理由もあるが、「2014年からドミニク・エガーターを呼んだり、Moto2ライダーを呼びましたが、彼らがMotoGPのパドックに帰って『鈴鹿8耐面白かったよ』とみんな言ってくれているみたいです。今はその世代のライダーがMotoGPライダーになっていて、すごいレースだったって言っていたなというのが広まってるんだと思います」という理由もありそうだ。 ここからは加賀山監督の理想でもあるが、「バニャイアが来てくれたら名誉監督にロッシだな(笑)という思いもあったり。(2チームだと)バニャイアチーム、マルケス兄弟チームになったら水野涼をどっちに入れようかな(笑)」とも語っており、多くのライダーラインアップが考えられることには違いない。 来年の話のため、夢のような話も混じっているだろうが、バニャイアが鈴鹿8耐に参戦願望があることと、すでに今年の段階で加賀山監督がMotoGPライダーにオファーを出したことは確かだ。また、加賀山監督がドゥカティのファクトリーマシンを走らせ、全日本ロードで優勝、鈴鹿8耐で表彰台争いをするなど、昨年には考えられなかった出来事が起きている。 2025年はこのインタビューで語られたことがいくつ現実となるのか楽しみにしておきたい。
T.Yamaguchi