盗塁時に左肩を負傷した大谷。起き上がれずに苦悶の表情を浮かべた。(C)REUTERS/AFLO

　現地10月26日、MLBワールドシリーズ（WS）の第２戦が行なわれ、ロサンゼルス・ドジャースは本拠地でニューヨーク・ヤンキースと対戦。４対２でモノにして開幕２連勝を飾った。 【動画】大谷翔平が盗塁時に左肩を負傷したシーン…険しい表情でダグアウトへ 　ドジャースの先発を飾った山本由伸は７回途中まで好投を続け、フアン・ソトに打たれたソロ本塁打の１安打に抑えてみせた。打ってはエドマン、Ｔ・ヘルナンデス、そしてフリーマンがそれぞれ本塁打を放って効果的に４点を奪取。９回表に迎えた２死満塁のピンチも継投策でかわし、投打がかみ合っての快勝を収めた。 　心配はやはり、７回裏の攻撃で負傷退場した大谷翔平の状態だ。１死走者なしで四球を選んで進塁した大谷は、その直後に盗塁を試みる。果敢なスライディングも実らずアウトとなった際、後方に残した左腕を傷めてしまう。起き上がれずに最初は左手首を押さえていたが、トレーナーが近づくと苦悶の表情を浮かべて「肩っすね」と伝えた。 　試合後にデイブ・ロバーツ監督は大谷の怪我が「左肩亜脱臼」だったと発表。「精密検査の結果をみないとなんとも言えないが、肩の強度も可動域も問題はなかったし、それは良い兆候だと思う」と印象を語り、第３戦以降の出場の可否については明言を避けたものの、「前向きに捉えている。彼がスタメンに戻ってくると見込んでいるよ」と期待を寄せた。 　大谷の負傷退場を受けて、全国紙『USA TODAY』の看板記者であるボブ・ナイチンゲール氏がコラムを寄稿。「スタジアムは静寂に包まれたが、ドジャースはオオタニを怪我で欠いたとしても、ワールドシリーズを勝てると確信している」と銘打ち、「誰もがオオタニが二塁上で悶絶する姿を目撃して恐怖を覚えた。もちろん私もそのひとりだ。しかし、ドジャースのワールドシリーズ制覇が危うくなるとは考えなかった。そんな恐怖を感じる必要はないのだ」と論じる。 　2024年シーズンのドジャースは主力に負傷離脱者が相次いだ。投手陣は先発もリリーフも長欠を余儀なくされる選手が相次ぎ、野手もムーキー・ベッツやフレディ・フリーマン、マックス・マンシーらが入れ代わり立ち代わりで故障者リストに加わった。 　 　ナイチンゲール記者は「誰かが去れば誰かが活躍して穴をしっかり埋めて、ドジャースは何度も危機を乗り越えてきた。それはポストシーズンに入ってからも変わらない。チームは培ってきた選手層の厚さにかなりの自信を持っているはずだ」と指摘。そのうえで「オオタニの存在はいち選手の枠に収まらないし、存在の大きさは誰もが認めるところだ。ぜひともラインナップに戻ってほしいと私も願うが、もし彼を欠いたとしても心配はない。ドジャースの選手たちはこれまでと同様に粛々と個々が役割を果たして乗り越えていくだろう」と太鼓判を押した。 　２連勝で俄然優位に立ったドジャースは現地28日、敵地ニューヨークに乗り込んで第３戦を戦う。大谷は帯同せず、27日にロサンゼルスでMRI検査を受け、その後にチームに合流する予定だという。 構成●THE DIGEST編集部