香港に続き上海でも「愛国派」司教が就任――加速する「カトリックの中国化」
(C)MDV Edwards
中国のカトリック教徒は約1200万人ともいわれる。巨大な中国では総人口の1%にも満たないが、かなりの人数ともいえる。そのカトリック教徒たちが固唾をのんで注目した出来事が4月以降に相次いだ。 一つは、長年空席となっていた上海教区トップである司教の任命であり、もう一つはそれに続いて香港教区の周守仁司教が北京を訪れたことだ。いずれも習近平政権が掲げる「宗教の中国化」に向けた一歩であり、中国とバチカン(ローマ教皇庁)との関係の変化も示唆する。共産党政権の迫害を受ける教徒にとっては、さらなる受難を予感させる出来事でもある。
本文:5,151文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
中澤穣