SKY-HI、Novel Core、CHANGMOが語る、日韓コラボレーションの狙いと意味
影響を与えたカニエ・ウェストの存在
ーCHANGMOさんに影響を与えたラッパーというと誰になりますか? CHANGMO:アメリカではカニエ・ウェストです。韓国だと、The QuiettさんとDOK2さんです。とくにカニエの影響が大きいですね。 ーどこが好きなんですか? CHANGMO:カニエ・ウェストの音楽って既存のヒップホップに収まらないというか、知的で新しいイメージをヒップホップに持ち込んだと思うんです。10代のころの私はワイルドなライフスタイルではありませんでしたが、ピアノを弾きながら「こんなスタイルもあるんだ」と固定概念をいい意味で崩されました。彼の影響で、のちに自分が音楽の勉強をもっとするようになって、自分が弾いてきたピアノの要素とヒップホップを混ぜてもいいかもしれないという考えを持つようになったんです。 ー8月にカニエ・ウェストがタイ・ダラー・サインとともに韓国でリスニングパーティを開催しましたが、行かれましたか? CHANGMO:いえ、行けなかったんです。気づいたらソールドアウトで。私は、韓国でカニエ・ウェストの大ファンとしてある程度知られた存在なんですが、現地のオーディエンスから「CHANGMOがいない」「どこにいるんだ」とすごい量のDMが来たんです。事情を話すと、彼の性格的に韓国公演をキャンセルしそうだなと思って、事前にチケットを買わなかったことが失敗しました。このことを韓国の人たちにお話しする機会がなかったのですが、今回このインタビューで初めて話しました(笑)。 ーSKY-HIやNovel Coreにはポップスターという側面もありますが、ヒップホップ・アーティストがポップスターとコラボレーションすることについてはどう思いますか? CHANGMOさんも、スランの「WINE (Feat.Changmo) (Prod. SUGA)」、ヒョリン&CHANMO名義でリリースした「Blue Moon」、EXOのチャニョルの「Yours (Feat. LeeHi, CHANGMO)」など、多数コラボしてますよね。 CHANGMO:私自身、K-POPスターたちとしたコラボが何個か成功したことで、韓国で多くの人々に知られるようになったんです。私はコラボするにあたって、いつも基準を設けています。それは音楽が絶対的にいいということです。その音楽がどのようなスタイルでも、私たちがコラボレーションした曲が本当にいい音楽であるということ。それを大事にしています。 ーCHANGMOさんは自分の音楽のどんなところが一番の「強み」だと思いますか? CHANGMO:強みであり弱みでもあるのですが、私の「歌詞」です。私と同じような環境ーーソウル郊外に住む同年代の人たち、その人たちの悲しみ、喜び、怒り、あるいは夢などを歌詞に入れています。ただ、歌詞は韓国語ですし、韓国人ならではのスラングやアクセントをたくさん取り入れているので、他の国の方々には共感しにくいかもしれません。それが悩みです(笑)。とにかく、これからも「いい音楽」を作り続けていきたいです。私の「METEOR」が韓国のチャートで一位を獲った時に感じたことは、「歌詞を含めて、いい音楽だからこういう結果になったんだろうな」ということでした。これからもその軸を変えずに活動していければと思います。 ー最近CHANGMOさんが韓国内で気になるヒップホップ・アーティストは? CHANGMO:Paul Blancoです。彼はカナダで幼少期を過ごし、アメリカやカナダのヒップホップに影響を受け、韓国に来ました。彼も私と同じく「いい音楽」を作ることを第一に考えていて、作曲だけでなく、プロダクションも自分でやっています。 ーCHANGMOさんのこれからのプランは? CHANGMO:去年、兵役を終え軍隊を除隊しました。そこから1年間、人生を楽しむことに忙しすぎて、スタジオに入る時間も少なかった。でっち上げの歌詞は書きたくないですし、その間、何か伝えたい言葉が生まれるまで待ってみようという考えもありました。日本に頻繁に足を運んだのもそういった理由です。そしてようやく、少しずつ言葉が出てきたところなので、これからまたスタジオに入って作業をすることになると思います。 「ZOOM」 SKY-HI × Novel Core × CHANGMO 配信中 BMSG POSSE、初の単独公演『BMSG POSSE presents TYOISM』 2024年12月11日(水)東京・豊洲PIT OPEN 18:00 / START 19:00 ※開場/開演時間は変更となる場合がございます。
Takuro Ueno