SKY-HI、Novel Core、CHANGMOが語る、日韓コラボレーションの狙いと意味
「真面目にふざけられる人、素敵だなと思いました」(SKY-HI)
―実際のソングライティングはどういうプロセスで行われたんですか? SKY-HI:会話の延長って言ったらあれですけど、大きなテーマだけを決めて、書けたら録って、録れたらチェックして、みたいな。短いヴァースの応酬なので、それを繰り返して、遠隔でCHANGMOとやり取りしました。 Novel Core:マイクリレーじゃないですけど、マイクパス、マイクパスを繰り返す感じでした。 SKY-HI:大喜利と言っても正しいかもしれない。 Novel Core:それぐらいのノリでしたよね。どっちがクスッとくるやつ書けるか勝負!みたいなの始まってましたよね。 ―2人のリリックは、韓国語に翻訳してCHANGMOにもシェアしたんですか? SKY-HI:そうですね。BMSG社内に韓国語を喋れるスタッフがジョインしてくれたので。感謝してます。 ―CHANGMOのヴァースも和訳してもらって。 SKY-HI:そうですね。日本語の「マネーだいすき」と「生ビールください」は分かりましたけど(笑)。 Novel Core:(笑)もうその時点で最高なの分かりましたよね。 SKY-HI:真面目にふざけられる人、素敵だなって思いながら。 ―3人の息がぴったりで、とても遠隔で作ったとは思えないような空気感だなと。 SKY-HI:そうですね。アーティスト同士って、楽曲を聴いてると人格が分かるところもあるから、CHANGMOはこういうテーマで一緒にふざけようとしたら全力でふざけてくれるだろうなってことは思ってはいたんですけど、本当にそうだったのが嬉しいですね。BMSG POSSE自体が楽しくないといけないっていう暗黙のルールがあるように、一緒に楽しんでくれる人=フィーチャリングアーティストに呼びたい人でもあるので、今回は一緒に遊んでもらったという感覚ですね。 ―ミュージックビデオは渋谷で一緒に撮ったそうですね。 Novel Core:超楽しかったです。タイミングよく東急百貨店の跡地で撮れるって話になって。この曲のMVとしてバッチリのロケーションだったなと思いますし、ワクワクしながら撮ってました。MV撮影中の待ち時間とか、セッティングチェンジの時間に、プライベートの延長線上でお話しする時間もあって、3人それぞれいろんな話をしてたんですけど、そこでより距離が縮まった感じもありました。SKY-HIさんと僕でおすすめの焼肉屋さんを教えたりして。 SKY-HI:CHANGMOも僕らと一緒にレコーディングしたり、MVを撮ったりできることを、こちらの想像以上に喜んでくれて、それは嬉しいサプライズでした。お母さんに自慢するとか言ってたし。 Novel Core:僕の「SKILL TEST feat. DABO, Charlu」を聴いてくれてたんですよ。DABOさんの話で盛り上がったり、「超いいラップしてたね」みたいに言われたり。誰かが「『SKILL TEST』の感想を一言で言うなら?」ってCHANGMOに聞いてくれたんですけど、「Come to Korea」って言ってました(笑)。嬉しかったです。あとはファッションの話でも盛り上がって、CHANGMOのスタイリングで一緒に来てたMinsoo Parkってスタイリストの方ともすごく仲良くなって、韓国では今こういうのがかっこいいとか、逆に日本ではこういうのが流行ってるとか、洋服の話もしました。 ―CHANGMOっていうラッパーが韓国にいるよってことを、日本のリスナーに知ってもらうって点でも意味のある曲になりましたね。 SKY-HI:誰かの成功がみんなの成功に繋がりやすいのが、コミュニティとかコミュニティミュージックの良さだと思うんですけど、それは広がれば広がるほどいいと思っていて。ここ最近は韓国を筆頭に東アジアからのグローバル進出が増えてるじゃないですか。アメリカの人とかからすると日本と韓国ってすごく近く見える。韓国勢のグローバルアプローチの広さ、存在感の強さが我々同じ東アジア人の生きやすさをつくってくれてるとも感じるし、お互い前向きに楽しめるのに一緒にやらない理由は、本来そんなにないと思うので。いっぱいみんなでやっていけばいいと思います。 Novel Core:僕も全く同じ意見です。というか、SKY-HIさんの「せっかく距離的にも近い国なんだし、もっといろいろユニティ起きたらいいよね」ってマインドは、BMSG入る前からSKY-HIさんと話をさせてもらう中で学んできた姿勢でもあるので。Reddyくんとか、SKY-HIさんに繋いでもらって仲良くなった韓国のラッパーがたくさんいる分、なおさらそう思います。僕と同い年ぐらいの日本のラッパーの子たちとかで、韓国のアーティストと仲が良かったり、韓国のミュージック大好きって子も多いんですけど、日本のど真ん中のオーバーグラウンドで、特にヒップホップミュージックっていうジャンルの上で日韓のコラボが起きることって、今までめちゃくちゃ多かったわけじゃないと思うんですよ。それを当たり前にできるぐらい、たくさんやっていきたいなって気持ちはすごくあります。自分たちがその一端を担えるんだったら、こんなに光栄なことないなって思います。