【解説】「値上げの一年」となった2024年 クリスマスやお正月にも値上げの波…2025年は?
KSB瀬戸内海放送
2024年は原材料費や物流費などの高騰でさまざまなモノやサービスの「値上げ」を実感する1年となりました。これから迎えるクリスマスやお正月にも値上げの波が押し寄せています。 バンダイ調べ 2024年のクリスマスプレゼントの予算を見る>>>>>
News Park KSBでも2024年は一年を通じてさまざまな「値上げ」に関するニュースを伝えてきました。2月、世界的な猛暑によるトマトの不作の影響で、主要な食品メーカーがケチャップなど「トマト加工品」の値上げに踏み切りました。 春野菜も生産コストの上昇などで値上げに。香川県オリジナル品種のアスパラガス「さぬきのめざめ」を栽培する高松市の農園も卸売価格を2023年より1割アップしました。 (のぐふぁーむ/野口拓朗 代表) 「値段設定にしても葛藤というか……このぐらいほしいけどここまでいったら売れないかなみたいな」 民間の信用調査会社帝国データバンクが主要な食品メーカー195社を対象に行っている定期調査によると、2024年値上げした食品は1万2520品目、年間の平均値上げ率は17%となりました。 その要因となったのが原材料費に加え、物流コストや人件費の上昇です。働き方改革の一環で4月からドライバーなどの時間外労働の上限が規制されたことに伴う、いわゆる「2024年問題」も価格に影響を及ぼしました。 値上げの波は「電気代」にも。政府の補助金が減額となり、一般的な家庭で10月使用分の電気料金が中国電力、四国電力ともに前の月より374円アップしました。 このほか、岡山、香川を結ぶマリンライナーの指定席とグリーン席の料金や、豊島や直島のアート施設の鑑賞料金などさまざまなジャンルで価格の改定が相次ぎました。 間もなく迎えるクリスマスも「値上げ」の影響は避けられそうにありません。6500点以上のおもちゃを販売している高松市の「トイザらス高松店」では多くの家族連れがプレゼントを買いに訪れています。 (買い物客は―) 「車のおもちゃを探しにきました。毎年悩みます」 「ゴールドのティラノサウルスがほしいっていうので」 トイザらスによると2024年のトレンドは「親子で楽しめる」おもちゃです。トイザらス限定のシルバニアファミリーのセットはオリジナル家具や人形3体がついています。 (松木梨菜リポート) 「こちらの商品ではトミカの車で山道のドライブを楽しめます」 くねくねした坂やジャンプする道路など2つのコースを楽しめます。 また、メジャーリーグの公式ライセンスをとったおもちゃも。グローブ型のクレーンでボール型のカプセルをとるクレーンゲームも注目です。 そんなクリスマスプレゼントの「予算」がアップしたというデータもあります。 おもちゃメーカー「バンダイ」が3歳から12歳までの子どもがいる親600人を対象に11月行った調査によると、2024年のクリスマスプレゼントの予算は平均で8138円。2023年と比べて420円上がりました。 (買い物客は―) 「年齢が上がるにつれてそれなりに(予算)は上がってはくるのかなと」 「ご褒美なので値段を気にせず欲しいものを。毎年物は高くなっているんですけど欲しいものをクリスマスだけは特別に」 バンダイのアンケート調査によるとプレゼントの予算を2023年より増やした人は22.3%。理由については「子どものリクエスト品が2023年よりも高い」が約4割、次いで「勉強・習い事を頑張った」と「物価高の影響を受けて」がいずれも2割ほどとなりました。 物価高もありますが、クリスマスなので子どものために……と考える親が多いようです。 ■「おせち料理」にも値上げの影響 そしてクリスマスの次は年末年始が控えていますが、「おせち料理」も物価高騰の波を受けています。 岡山市の日本料理「きく井」では、おせち料理の準備に取り組んでいます。2024年も2023年と同じように昔ながらの調理法で素材にこだわったものを作ろうとしていますが……。 (日本料理 きく井/菊井光紀 代表) 「原材料の高騰が尋常ではない値上げ幅なので。ここ5年ぐらいで急激な値上がりはしてます」 この30年で材料費は最大で3倍となるなどし、利益をとることも難しい状況です。 帝国データバンクの推計によると2024年のおせちの原材料の価格はタコやブリなどの魚介類のほか、洋風おせちでは欠かせないローストビーフなどの材料となる輸入牛肉も2023年の同じ時期と比べて上がっています。 これに伴い、おせちの販売価格も……。全国の大手コンビニや百貨店、スーパーなど110社で販売されているおせち料理の平均価格は3シーズン連続で上がり、今シーズンは税込み2万7826円でした。 販売価格が高騰する中で日本料理店などでは「ある動き」も目立っているといいます。 (日本料理 きく井/菊井光紀 代表) 「(おせち料理販売を)やめるってところも材料(費)が上がっているっていう理由で。できるだけ安く買える時期にいいものを仕入れて、感動を与えていけるようなおせち料理にしていきたいと思っています」 さて、この値上げの動きはいつまで続くのでしょうか? 帝国データバンクの主要食品メーカー195社への調査によると、2025年値上げが見込まれているのはパン製品やアルコール飲料など3933品目でした。 前の年の同じ時期に発表したもの、つまり2024年に値上げされると予想されていた食品は1596品目で、それを大きく上回っています。2025年もさらに値上げに悩まされる年となりそうです。
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