打点ブレに強く、スピンが入りやすい、やさしいプロモデル『スリクソン ZXiドライバー』【ヘッドデータ分析で判明】
今回は『スリクソン ZXiドライバー』を紹介します。より高みを目指すゴルファーに向けて送り届けている「スリクソン」から「ZXiシリーズ」が登場。クラブ設計家の松尾好員氏によれば「やさしいプロモデルという印象がある」と分析します。前モデルの『ZX5 Mk IIドライバー』と比較しながら考察してみた。
お助け機能がさらにアップ!
GD 今回は『スリクソン ZXi ドライバー』(以下、ZXi)を前モデルの『ZX5 Mk IIドライバー』(以下、ZX5 Mk II)と比較しながら分析していただきます。ヘッド素材を見ると引き続き全体にチタンが使われていますが、今モデルはどのような特徴があるのでしょうか? 松尾 ヘッドデータもヘッド素材のように継承されているポイントがありました。その一方で進化している部分もありました。 GD どの辺に進化が見られますか? 松尾 ヘッドの慣性モーメント、ライ角の2つに注目しました。ヘッドの慣性モーメントを見てみると『ZX5 Mk II』が4984g・㎠で基準値(4600~4799g・㎠)と比べても大きかったのですが、『ZXi』は5140g・㎠とより大きくなり、芯を外したミスヒットに対してさらに強いヘッドに進化しています。 GD お助け機能がアップしたわけですね。ライ角については? 松尾 ライ角を比較すると『ZX5 Mk II』が58.5度と標準的な設定でしたが、『ZXi』は60.0度とアップライトになり、ボールのつかまりを意識していると考えられます。 GD なるほど。ライ角と合わせてヘッドの操作性が判断できるネック軸回り慣性モーメントを見てみると非常に大きい数値が出ていますね。つまりヘッドが緩やかにローテーションすることを踏まえると、アップライトに設定することで“オートマッチにつかまる“ドライバーになったわけですね。続いて継承されている部分についてお願いします。 松尾 フェース角とスピンが入りやすい重心設定に関しては、大きな変更はなく前モデルから継承されています。フェース角は『ZX5 Mk II』がオープン1.0度、『ZXi』がオープン1.5度とツアーモデルらしく、ボールに被らず素直に構えやすい設計になっています。 重心設定はスイートスポットの高さが『ZX5 Mk II』が38.3ミリ、『ZXi』が38.2ミリとなっており非常に高いです。さらに低重心率が『ZX5 Mk II』は73.4%、『ZXi』が73.7%と非常に高重心になっています。