18歳とは思えぬ会話…「本当に高校生か?」 選手権終えて渡米、追いかける“2つの夢”
メンバーとの距離感を意識、分断を生まない“つなぎ役”を率先
「例えば試合前のミーティングだったり、メンバー決めだったりは選手たちで考えてやっているのですが、やっているのはキャプテンやリーダーら数人で、周りが『うん、うん、うん』と頷いている状況になってしまうと、リーダーとそれ以外の分断を生み出してしまう。僕はそこをつなげないといけない。そのために僕はリーダーらで決めたことを、『これを直したいからこの練習をするんだよ』『これを身につけるためにやるんだよ』という裏付けをきちんと説明するようにしています。 あと心がけているのは、キャプテンである僕が絶対的な存在にならないことです。『俺がリーダーだ』ではなく、周りの選手たちが意見を言えるように一歩引いた立ち位置を意識しました。でも、意見が出るようになって、すべてに『そうだね、そうだね』と言っていては収拾がつかなくなるので、その意見1つ1つに僕の考えや、話し合った意見をきちんと伝えるようにしています。例えばこの選手をスタメンで起用する、この選手を外すとなった時に、双方にその理由をきちんと伝える。何を言われても返せるようにしないとボトムアップにならないと思っています」 もちろん実際に行動するとなるとうまく行かないことも多々出てくる。だが、彼はそれも承知のうえで、自分の意思を全体に伝えるために常に大事にしていることが1つある。 「当然、キャプテンになったことで『お前はどうなんだよ』と思われることも増えたと思います。それはそのとおりだからこそ、普段の練習から100%を出すようにしています。常に気を抜かないで全力でやっている。でも、そこで僕が強気になってはいけないと思うんです。そういう意見が出た時に、『俺、全部やっているじゃん!』とつっぱねるのではなく、『確かに俺もできていないけど、常に全力でやっているよ。そこはお互い頑張ろうよ』と言うのでは全然違いますから」 彼の話を聞けば聞くほど、彼はマネジメント力に長けているだけではなく、ファシリテーターとしての能力も高いと感じる。 「意見を言うということは、その分、相手の意見を聞く力も必要になります。例えば、サイドハーフとサイドバックの間で、うしろの選手は『こう動いてくれ』と要求するけど、その一方で前の選手の『ここに出してほしい』という声に耳を傾けないとコンビネーションはよくならない。一方から『こうしろ、ああしろ』と言うのではなく、『こうして欲しい』と伝えたら必ず『どうして欲しいのか?』を相手から聞かないといけない。それでも意見を言わない人がいたら、『これはどう思う?』『どうするのが良かった?』と自分から問いかける。それの積み重ねが当事者意識を生み出すための重要なアプローチだと思っています」