夫は「カルキ臭がする」といって料理にも水道水を使いません。水はすべてミネラルウォーターにした方がいいのですか?
日本の水道水は、「塩素(水道用次亜塩素酸ナトリウム)」を用いて消毒することで、世界のなかでも安全な水質を確保しています。一方で、料理などでカルキ臭を敏感に感じ取る方も多いことでしょう。ミネラルウオーターにかえれば、カルキ臭は避けられますが、家計に与える影響への懸念が生まれます。 そこで今回は、料理の際に水道水の代わりにミネラルウオーターを使用したときの家計への影響や、水道水のカルキ臭をとる方法などについて解説します。 ▼4人家族で食費「月8万円」は高い? 1人当たりの“平均”もあわせて解説
カルキ臭を避けミネラルウオーターにかえたときの家計への影響
水道水とペットボトルのミネラルウオーターの1リットルあたりの料金について表1にまとめました。なお、水道水は東京都水道局の目安単価を、ペットボトルのミネラルウオーターはあるメーカーの商品価格を参考にしています。 表1
※筆者作成 料理で使用する水道水をミネラルウオーターに置き換えると、同じ量でも大幅な違いが生じます。例えば、表1より、飲料水を水道水からミネラルウオーターにかえただけで、1リットルあたり約650倍の費用が必要です。料理の場合には、かかる費用の差はもっと大きくなり、家計を圧迫する可能性があります。 ■水道水を料理に使っている割合は? パナソニック株式会社が2024年に実施した「水道水に関する全国調査」によると、食材を洗う以外のシーンで料理に水を使う場合に、水道水をそのまま使用している人の割合は約6割を占めるとのことです。 表2
出典:パナソニック株式会社「水道水に関する全国調査(パナソニック調べ)」を基に筆者作成 表2で水の種類を比較すると、多くの人が料理に水道水を使用していることが分かるでしょう。 ■ミネラルウオーターにかえたときの金額は? 東京都水道局によると、1ヶ月あたりの世帯人員別平均使用水量は表3の通りです。なお、炊事に利用する割合は約18%といわれています。 表3
出典:東京都水道局「もっと知りたい『水道』のこと 世帯人員別の1か月あたりの平均使用水量」を基に筆者作成 食材を洗う際には水道水を利用するとして、食材を洗う以外で使う水の量を炊事時の3分の1と仮定して計算してみましょう。表1より1リットル約156円でミネラルウオーターを準備した場合、1ヶ月で約7万6000円~31万9000円が必要となる計算です。 実際に使用する水の量は表3に限らず各家庭で異なりますが、家計のことを考えると、料理の水をすべてミネラルウオーターにかえることは、大きな負担になる可能性があるでしょう。