11年ぶり来日のデンゼル・ワシントン、インタビューでお茶目発動も! 『グラディエーターII』は監督からの“演出なし”で演技
■監督がリドリーなら断る理由はない
古代ローマを舞台に、皇帝の後継者争いの陰謀に巻き込また剣闘士の壮絶な戦いを描いたスペクタクルアクション『グラディエーター』(2000)。巨匠リドリー・スコットが再び監督を手掛けた続編『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』が現在公開中だ。前作でラッセル・クロウが演じた剣闘士の英雄マキシマスの息子ルシアス(ポール・メスカル)が主人公として物語を牽(けん)引するが、彼の異常なまでの闘争心に目をつける謎の奴隷商人マクリヌス役としてデンゼル・ワシントンが参戦! 2度のアカデミー賞に輝く名優が、どんな志を持って本作出演を決断したのか、そしてどんな演技プランでマクリヌスを演じたのか、11年ぶりに来日を果たしたデンゼルに思いの丈を聞いた。 【写真】ほとばしる筋肉! 『グラディエーターII』ダイナミックな場面写真 映画『フライト』(2013)のプロモーション以来、11年ぶりの来日となったデンゼル。今年70歳とは思えない陽気でパワフルな肉声が取材部屋の隣にある控室にまで響き渡る。記者会見とレッドカーペットイベントの合間を縫ってのインタビュー、疲れを見せないメディア対応からもプロ意識の高さが伺える。 グータッチでわれわれ取材陣を迎え入れたデンゼルが、“さぁ始めようぜ!”と言わんばかりに待ち構えている。開口一番、「出演の決め手は?」と問いかけると、「それはもちろん監督がリドリーだからさ」と即答。「どんな口説き文句だったのか」とさらに追い打ちをかけると、「そんなものはないよ、世界の巨匠リドリー・スコットが映画を撮る、もうそれだけで十分。『アメリカン・ギャングスター』もうまくいったし、弟のトニー・スコット監督(『クリムゾン・タイド』『マイ・ボディガード』)ともいい仕事をしてきたし、それに今回は脚本も秀逸だった。もう断る理由なんてないだろ?」と笑顔を見せる。 ひと足先のインタビューでプロデューサーのダグラス・ウィックは、「デンゼルの家まで押しかけて、彼のためにあつらえたあの美しい衣装を着てもらったとき、マクリヌス役はこれで決まった」と確信したそうだが、それをデンゼルに伝えると、「プロデューサーならそう思うだろうね。ただ残念ながら、そのころにはすでにリドリーと話がついていた。だって、映画に出る出ないは、最終的に監督と話をするものだろ? 少なくとも僕はそうしている。ただ、確かに衣装は素晴らしかったし、ダグのなかでそういう美しい筋書きが出来上がっているのなら、その流れでいいんじゃないかな」と笑いながら寛容なところを見せた。