茅原悠紀

　佐賀県・からつボートのファン感謝3Days「バトルトーナメント」は最終日の14日、12Rで優勝戦が行われ、3号艇の茅原悠紀（37）＝岡山＝が恵まれで、今年4回目、通算58回目の優勝を果たした。賞金158万円を獲得し、来年1月にとこなめで開催されるバトルチャンピオントーナメントの優先出場権も手にした。2着に渋谷明憲、3着に平高奈菜が入った。1号艇で人気を背負った吉川元浩はコンマ01のフライングに散った。 　勝者に笑顔はなかった。表彰式を終えた茅原は「笑えないです」と神妙な面持ち。5人がゼロ台前半の激しいスリット合戦、しかも1号艇の吉川がコンマ01の勇み足に終わったのだから無理もなかった。 　Sで無理をできない状況は茅原自身が一番。8月末のSGメモリアルで今期2本目となるFを切り、11月中旬から60日のF休みを控えている。「（次切ったら）150日と考えたら本当毎走、精神的にきついです。神経は研ぎ澄ましているし正直、Sは行きたくない。でもお客さんが舟券を買ってくれているし、遅れられない」。S勝負はしたくないが、ファンの期待を感じる以上、遅れるわけにはいかない。今節も初戦、優勝戦とコンマゼロ台のSが2回。この大会にはタイトルに”ファン感謝”の文字が付くが、これこそが、茅原の日頃の声援に対する感謝の表れだ。 　この優勝で賞金ランクは3位にアップ。シードとなるグランプリ・トライアル2ndからの出場が見えている。「自分はよくやらかすし、期待に応えられないことが多いけど、できることを最大にやって年末に臨みます」と話す。次走ダービーなどまだSに細心の注意を払う日々は続くが、高い集中力で乗り越え、特例出場のグランプリで2度目の制覇を狙う。