東北学院が仙台育英に2―1で勝ち37年ぶりの全国高校サッカー選手権出場決める
◆全国高校サッカー選手権 ▽宮城県大会決勝 東北学院2―1仙台育英(3日、ユアスタ) 宮城決勝は東北学院が仙台育英に2―1で勝ち、37年ぶり5度目となる全国高校選手権(12月28日開幕、国立競技場ほか)出場を決めた。“自分たちの良さ”を前面に出して接戦を制し、2年連続で敗れていた決勝でリベンジを果たした。岩手決勝は専大北上がPK戦で遠野を破り、3年ぶり3度目の全国を決めた。延長後半アディショナルタイム3分から出場したGK高橋蒼(そな、3年)が相手の4本目を止めた。 一瞬の隙を逃さなかった。前半32分、左サイドを突破したMF嶺岸颯人(3年)のパスに反応した東北学院FW岡元龍太(3年)が、右足を合わせて先制弾。「颯人が中に(パスを)入れるのはわかっていた。自分がフリーになるだけでした」と素早くマークを外して得点を挙げた。その後すぐに「点を決めたら来てね、と言われていた」と応援団席へ駆け寄り、仲間たちに向かって歓喜のジャンプを披露した。 今週の練習ではロングボールを多用する仙台育英対策として、一度はDFラインを普段より低めに設定。だが紅白戦ではシュート0本に終わった。相手の良さを消そうとすると、自分たちの長所も消えていた。橋本俊一監督は「コーチからも、これじゃ勝てないと言われた。普段通りに戦おうと変えた」。最終ラインと前線の距離をコンパクトに保ち、積極的にプレッシャーをかける形を徹底した。後半33分の2点目は、相手DFのバックパスを嶺岸が奪ってゲット。貴重な追加点となり「前からプレッシャーにいく意識は積み上げてきたこと」と胸を張った。 過去2年連続、決勝で敗れた。昨年は岡元、嶺岸ともに出場し、悔し涙を流した。“3度目の正直”でつかんだ選手権切符だ。岡元は「できれば複数得点を決めてチームを勝たせたい」と意気込んだ。37年ぶりの大舞台でも自分たちのサッカーを貫く。(有吉 広紀)
報知新聞社