「ナチ」自称の覆面集団が叫ぶ 「アンネの日記」基にした演劇中 米
米中西部ミシガン州で9日、ナチス・ドイツの迫害を受けたユダヤ人の少女が記した「アンネの日記」を基にした演劇の上演中、ナチの旗を持った覆面の集団が劇場の外で反ユダヤ主義の言葉を叫ぶ事案があった。有力ユダヤ系団体「名誉毀損(きそん)防止同盟」(ADL)は「極右の過激派の行動にうんざりしている」と非難した。 劇団の発表や米メディアの報道によると、9日夕に「ナチ」を自称する集団が劇場の外に現れた。会場を管理する退役軍人団体が敷地外に出るよう促し、集団は退去した。出演者や観客には劇の合間に状況が説明された。 出演者の一部はショックで体を震わせていたが、上演は最後まで続けられた。上演後は観客の求めに応じて、駐車場までスタッフが安全のために付き添ったという。 2023年10月にパレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスがイスラエルに越境攻撃し、イスラエルがガザ地区への侵攻を開始して以降、米国ではイスラエルへの反感を背景に反ユダヤ主義の差別的言動が増えている。CNNによると、今年9月までの1年間に1万件以上の事案があり、前年の3倍以上に増えた。【ワシントン秋山信一】