Z世代にとって成功の新たな象徴は「食料品」? NY発のおしゃれな食料品店Pop Up GrocerのCEOが見出したその勝機(海外)
エミリー・シュルト(Emily Schildt)氏はベテランのブランド・マーケターで、ブティック型の食料品店「Pop Up Grocer(ポップ・アップ・グローサー)」のCEOだ。 【全画像をみる】Z世代にとって成功の新たな象徴は「食料品」? NY発のおしゃれな食料品店Pop Up GrocerのCEOが見出したその勝機 ロサンゼルスで人気の高級スーパー「Erewhon(エレウォン)」のライバルと呼ばれることもあるPop Up Grocerは、ニューヨークを飛び出して、実店舗を拡大する計画だ。 その成功は、Z世代が高価な食料品がストックされたパントリーを"ステータス・シンボル"とみなしているおかげだ。 エミリー・シュルト氏(37)はミレニアル世代だ。ただ、彼女のパントリーをのぞくと、Z世代だと思うだろう。 アメリカでは2024年、Z世代が他のどの世代よりも高級食料品店でお金を使っていたとバンク・オブ・アメリカは報告している。若い消費者は家やブランドもののハンドバッグといった"高価な買い物"に手が届かなくなるにつれ、高級な食料品を購入する傾向が強くなっている。 自称「ピーナッツバター通」のシュルト氏も、ブルックリンの自宅で2種類のスプレッドをローテーションしている。アルゼンチン産のピーナッツとパタゴニア産の海塩を使った「One Trick Pony Nuts」というピーナッツバターと、「Pistakio」のピスタチオ・スプレッドだ。この2つは合わせて25ドル(約3900円)以上する。 Pop Up GrocerのCEOであるシュルト氏は、高級な調味料の価格に慣れている。同氏は2019年に最新のおしゃれな食品・飲料ブランドを中心としたブティック型の食料品店を立ち上げた。 ブランド初の実店舗は2023年、ニューヨークのウェスト・ヴィレッジにオープンした。TikTokeでは、Pop Up GrocerはErewhonのライバルとも言われている。ロサンゼルスの高級スーパーErewhonは"セレブ御用達"として知られ、例えば牛乳は20ドルで売られている。 シュルト氏は以前、小さな食品会社のマーケティングを担当していて、自身のクライアントが大規模小売店で成功するのがいかに難しいかを目の当たりにしていた。 「素晴らしい製品、素晴らしいストーリーがあっても、結局のところ、自社の商品を売る棚を見つけるのは不可能でないにしても、本当に難しかったんです」とシュルト氏は言う。 この気付きが2019年にPop Up Grocerを立ち上げるきっかけになった。「ここニューヨークで10日間だけのポップアップストアとして始めたんですが、大成功でした。それで、同じような店をさらに9店舗展開しました」とシュルト氏はBusiness Insiderに語った。Pop up Grocerは2021年にシードラウンドで300万ドルを調達した。 同社は現在、常設店へと進化した。シュルト氏によれば、2023年にオープンしたこの常設店は「前年比の成長という点では」成功しているという。
Maria Noyen