なぜW杯ロシア大会でV字回復した日本代表人気は沈静化したのか?
若手三銃士への期待と勝ち続けること
ロシア大会の開幕直前は、まさにどん底の状態にあった。ヴァイッド・ハリルホジッチ元監督に率いられたチームは、ロシア大会出場を決めてから低空飛行を続けた。 結果だけでなく内容をも伴わない戦いの連続に、長谷部は「代表に対して無関心でいられることが一番怖い」と偽らざる思いを吐露したほどだ。 一転してロシア大会でV字回復を果たし、田嶋会長の言葉を借りれば、いま現在は緩やかな下降状態から踊り場に留まっている。再び上向きに転じさせられるか。あるいは、さらに下がっていくのか。カギを握るのは最初の公式戦となる、来年1月にUAE(アラブ首長国連邦)で開催されるアジアカップだろう。 「僕個人としては、視聴率はどうなのかなと思っていて。とにかく、勝つことが一番じゃないですか。僕たちとしては、勝つことしかできないのかなと」 10月シリーズからキャプテンを拝命しているDF吉田麻也(サウサンプトン)は、2大会ぶり5度目のアジア王者奪還を当面の目標に設定。勝ち続けることで状況が変わると明言した。 その起爆剤になるのは、森保ジャパンの象徴となりつつある若手三銃士だと、長友も10月の段階で期待を込めて明言している。 「再び日本代表を盛り上げていかなければいけないときに、若い選手たちがこれだけ勢いをもっていると、これからも日本代表のサッカー熱や人気が続いていくのかな、と」 劇的な試合を続けた末に、アジアカップを制したザックジャパンは一気に上昇気流に乗った。アギーレジャパンは連覇を逃したものの、直後に指揮官が解任されたことで、急きょ誕生したハリルジャパンが図らずも注目を集める構図を生んだ。果たして、森保ジャパンはどのような軌跡を描くのか。代表メンバー発表を経て、チームは来月下旬から国内で直前合宿に入るスケジュールが組まれている。 (文責・藤江直人/スポーツライター)