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“学級崩壊”状態のトランプ政権 「ロシアゲート」で疑惑報道相次ぐ

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THE PAGE

「機密漏えい」報道など政権周辺からリーク続く?

 個人的に気になるのは、ここ数週間、政権周辺からの情報漏えいが激しくなっている点だ。「ロシア・ゲート」をめぐる一連の情報はもちろんだが、トランプ氏が訪米中のセルゲイ・ラブロフ露外相に機密情報を漏らしたとする報道も然り。先日、中央情報局(CIA)のジョン・ブレナン前長官がトランプ陣営とロシアとの接触について「捜査するだけの根拠が十分にある」と議会証言したが、トランプ政権に不信・不満を抱くCIAやFBI、関係省庁の周辺から、同じくトランプ政権と対立が続く主要メディアに情報が流れている可能性が高い。  もう一つの可能性は、ホワイトハウス内の権力闘争だ。ホワイトハウスには主に: (1)親族系…娘イヴァンカ氏(大統領補佐官)や娘婿ジャレド・クシュナー氏(大統領上級顧問) (2)共和党系…ペンス氏(副大統領)やラインス・プリーバス氏(大統領首席補佐官) (3)反エスタブリッシュメント系…スティーブン・バノン氏(上級顧問兼首席戦略官)やスティーブン・ミラー氏(大統領補佐官、スピーチライター) の3つの派閥があるとされている。  高官人事(日本の官庁の局長以上に相当する約560ポスト)の指名が大幅に遅れている 一因はこれら3つの勢力が互いの人事案を潰し合っている点にあるとされるが、今回、この権力闘争がリーク合戦を助長している可能性もある。その意味では、クシュナー氏がロシアと極秘の通信ルート開設を打診していたとする最近の報道の情報源が気になる。  目下、トランプ氏はリーク犯探しに躍起になっているようだが、情報リークやスキャンダルとほぼ無縁だったバラク・オバマ前政権と比べると、トランプ政権は早くも「学級崩壊」しつつあるかのような印象を拭えない。  今後のFBIや特別検察官による捜査の過程で、トランプ氏周辺の利益相反や汚職など、「ロシア・ゲート」以外の新たな疑惑が浮上する可能性も否定できない。振り返れば、ビル・クリントン氏が弾劾直前まで追い詰められたホワイトハウス実習生とのセックス・スキャンダルは、もともと同氏のアーカンソー州知事時代「ホワイトウォーター疑惑」を徹底追求していた特別検察官の捜査の延長線上に浮かび上がったものだった。  漏れ伝え聞くところによると、政権周辺のスタッフの中には履歴書をアップデートし始めている者も散見されているようになっているという。転職を見据えての動きであるならば、政権の求心力や職員の士気がかなり下がり始めているのかも知れない。  トランプ氏は特別検察官の任命を「米国史上最大の魔女狩りだ」と批判しているが、果たして本当の「魔女」は誰なのか。捜査の行方に注目したい。

-------------------------------- ■渡辺靖(わたなべ・やすし) 1967年生まれ。1997年ハーバード大学より博士号(社会人類学)取得、2005年より現職。主著に『アフター・アメリカ』(慶應義塾大学出版会、サントリー学芸賞受賞)、『アメリカのジレンマ』(NHK出版)、『沈まぬアメリカ』(新潮社)など

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