ソニー、イーサリアム・レイヤー2「Soneium(ソニューム)」発表──アスターはAstar zkEVMをSoneiumに移行
新たな局面を迎えているレイヤー2
イーサリアム・レイヤー2ネットワークは、イーサリアムのガス代(取引手数料)高騰、トランザクションの遅延、スケーラビリティなど、イーサリアムエコシステムの発展・拡大とともに浮上してきた課題を解決するために登場した。イーサリアムメインネットの外側でトランザクションを処理し、結果のみをメインネットに送ることで効率を向上させ、前述の課題に対処するものだ。 最近では、米暗号資産取引大手コインベース(Coinbase)のレイヤー2「Base」が注目を集めている。TVL(預かり資産)でBase最大のDEX(分散型取引所)Aerodromeの手数料収入は、16チェーンに展開するユニスワップ(Uniswap)に追いつきそうな勢い。Baseは、取引所が手がけていることで法定通貨からのオンランプ/オフランプが容易であることに加え、使いやすいウォレットを提供。DeFi(分散型金融)をはじめ、さまざまなプロジェクトがBase上で誕生している。 レイヤー2ネットワークの基盤技術としては、ゼロ知識証明(zk)ロールアップ、Optimisticロールアップなどが知られている。Astar zkEVMは、zkロールアップを採用。一方、今回発表されたSoneiumは、Optimisticロールアップを採用。アスターネットワークはレイヤー2を推進するにあたり、その基盤技術を乗り換えたことになる。 レイヤー2は、イーサリアムの創設者ヴィタリック・ブテリン氏が一部の機能をメインネットに戻す計画を発表し、先行きが不安視されることもあった。だが一方でブテリン氏は自身のブログに「Return of Plasma」と記し、zkロールアップ、Optimisticロールアップの人気に押されていたスケーリングソリューション、Plasma(プラズマ)にも再び注目が集まっている。ブテリン氏は、7月末に日本で開催されたイーサリアム開発カンファレンス「EDCON」のサイドイベント「PlasmaCon」にも登壇し、Plasmaの優位性を語っている。