ソニー、イーサリアム・レイヤー2「Soneium(ソニューム)」発表──アスターはAstar zkEVMをSoneiumに移行
Astar zkEVMをSoneiumに移行
一方、渡辺創太氏が日本発ブロックチェーンとして立ち上げたアスターネットワーク(Astar Network)は同日、イーサリアムL2のAstar zkEVMをSoneiumに移行すると発表した。 アスターネットワークは2022年1月、異なるブロックチェーン間の相互接続を目指すポルカドット(Polkadot)のパラチェーンの1つとしてローンチ。日本発のレイヤー1(L1)ブロックチェーンとして注目を集め、米暗号資産取引大手のコインベース(Coinbase)から出資を受けたり、さまざまな国内企業とWeb3事業を手がけるなど、ポルカドットエコシステムで最大規模のチェーンに成長している。 2023年9月には、Polygon Labsとの協業を発表。ゼロ知識証明を活用したPolygon CDKを使ったイーサリアム・レイヤー2「Astar zkEVM Powered by Polygon(以下、Astar zkEVM)」の開発に着手。レイヤー1とレイヤー2を連携させたエコシステムの拡大に乗り出した。 同じく9月には、今回の発表につながるソニーネットワークコミュニケーションズとスターテイル・ラボが合弁会社の設立を発表している。スターテイル・ラボは、アスターネットワークとは別の法人としてWeb3事業開発・プロダクト開発を担ってきたが、2024年1月、アスターネットワークと一体化し、より大きな成長とイノベーションを目指す「Astar Evolution」が発表されている。 2024年3月にはAstar zkEVMがローンチ。ローンチに際しては、40を超えるWeb3プロジェクト、クリエイター、大企業が提供するNFTをカプセルトイ形式で配布・販売するキャンペーンを展開したが、期間中にネットワークの巻き戻し問題が発生。その後、「正常復帰」「ユーザーの資産は安全」と発表している。その後も、Astar zkEVMを使ったユースケース創出の取り組みを発表していた。 関連記事:渡辺創太氏のスターテイル、秋元康氏のアイドルプロジェクトと戦略的パートナーシップ──キラーユースケース創出へ 今回発表したAstar zkEVMのSoneiumへの移行は、2ステップで構想されているAstar Evolutionのフェーズ1になるという。 スターテイル・ラボの代表取締役CEOで、アスターネットワークの創設者の渡辺創太氏は「アスターネットワークの創設者として、アスターとそのコミュニティの価値を最優先事項と捉えている。エコシステムの拡大とオンチェーンでのマスアダプションを加速させるために、Astar zkEVMをSoneium L2に移行することは正しい前進と信じている」と発表で述べている。 渡辺氏は、年始のCoinDesk JAPANのインタビューで「具体的なことはまだ言えないことも多い」と述べていたが、Soneiumの発表と移行で、アスターを「世界トップ10レベルにしていくための勝負をしていきたい」と語っていたプランの1つが明らかになった。