「琴桜」の優勝は初代の祖父以来51年ぶり 第2の故郷で祖父の出身地の鳥取・倉吉市も沸き返る
<大相撲九州場所>◇千秋楽◇24日◇福岡国際センター 大関琴桜(27=佐渡ケ嶽)が念願の初優勝を果たした。21年ぶりの大関相星決戦となった結びの一番で、大関豊昇龍を下して14勝1敗。「琴桜」としては初代の祖父が最後に制した73年名古屋場所以来51年ぶりの優勝となった。来場所は綱とりが懸かる。 琴桜の第2の故郷ともいえる鳥取・倉吉市は九州場所千秋楽の24日、結びで豊昇龍を破り初優勝を飾った琴桜の悲願に沸き返った。「猛牛」の異名を持つ祖父の第53代横綱琴桜が倉吉で生まれ育ったルーツがあり、同じしこ名を受け継ぐ孫は郷土力士と並び人気が高い。市内ではこの日パブリックビューイングが行われ、優勝を見届けた市民たちが喜びを分かち合った。 佐渡ケ嶽部屋がある千葉・松戸市生まれの琴桜だが、700キロ以上離れた祖父の故郷に折を見て足を運んできた。今年6月には倉吉市内で大関昇進祝賀会を開催。県内の関係者を中心に約200人が駆け付ける盛況ぶりだった。 看板力士に上り詰めたが、その人気はとどまることを知らず。市内で祖父の現役時代の活躍を紹介する「琴桜記念館」担当者によると、今年1月から前日の23日までに入館者数は1万2554人。昨年の同月時点と比べ1000人余り増え「大関昇進を機に一段と記念館の知名度が高まり、入館者数の増加につながっています」と実感した。初優勝を祝し垂れ幕の設置などを検討中で、今後速やかに関係者と打ち合わせを行ってお祝いムードを醸成するのに躍起だ。【平山連】