清水―山形　後半、相手ゴールに迫るも阻まれる清水・北川（右）＝アイスタ日本平

　明治安田J2リーグは20日、各地で第35節の7試合が行われ、清水は山形に1－2で逆転負けし、J1昇格は持ち越しとなった。勝ち点73で2位のまま。黒星は10試合ぶりでホームでは今季初めて。3位の長崎は秋田を2－1で退け、勝ち点を66に伸ばした。 ②アイスタ（山形2勝）▽観衆18284人 山形　17勝6分け12敗（57）　2（0―0　2―1）1　清水　23勝4分け8敗（73） ▽得点者【山】高橋（10）後藤優（1）【清】北川（12） 　【評】清水は山形に逆転負けを喫した。 　前半の立ち上がりから右SB原が積極的に攻撃に関わり、好機を演出。32分にはMF乾のクロスをMF宮本が頭で合わせたが、GKの好セーブに遭った。 　相手もサイドから攻め込むようになり、一進一退の展開で迎えた後半30分、MFカルリーニョスのシュートをGKがはじいたこぼれ球をFW北川が押し込んで先制。しかし、35分と42分の失点でひっくり返され、今季ホーム初黒星となった。 ■終盤に逆転許す　今季ホーム初黒星 　歓喜を分かち合う舞台は整ったかに見えたが、そう甘くはなかった。清水は終盤に逆転を許し、17戦目にして今季ホーム初黒星。山形にはアウェー戦も敗れていて〝シーズンダブル〟を食らった。秋葉監督は「悪いところが全て出た。ただ下を向く必要は無い」と敗戦を潔く受け入れた上で次節に切り替えた。 　互いに見せ場をつくりつつ迎えた後半30分。MFカルリーニョスが打ったシュートをGKがはじくと、FW北川が誰よりも速く反応して詰め、ゴールネットを揺らした。下部組織出身の主将の先制弾に、今季最多の1万8284人が詰めかけたアイスタは割れるような歓声に包まれた。 　しかし5分後、空気が変わり始めた。右サイドを攻め込まれ、ニアサイドを打ち抜かれて同点を許した。その7分後には左サイドからのFKをファーサイドでヘディングを許し逆転。北川は「勝てば、という試合だったのに力のなさを感じる」と自省した。 　昨季はリーグ終盤の勝負弱さで昇格を逃した。「去年と全く変わってない」とMF乾。昨季、今節同様にリーグ終盤のホーム戦で1―3で逆転負けした熊本戦を例に挙げ、「チームとしても個人としても同じ失敗をしている」と情けなさを口にした。 　昨季と違うのは序盤から勝ち点を積み上げたおかげで、優位な状況で自動昇格圏にいること。あと1勝。何が何でも次節決める。 ■次節の栃木戦、勝利で無条件昇格 　清水は次節のアウェー栃木戦に勝利すれば無条件で昇格が決まる。引き分けた場合は3位長崎が引き分け以下、敗れても長崎が負ければ自動昇格圏の2位以内が確定する。