キヤノン「EOS R1」機能編レビュー 基本性能や注目の新機能をまとめてチェック
映像エンジンは「EOS R5 Mark II」と同じで、高速の画像処理を行う従来の「DIGIC X」に加えて「DIGIC Accelerator」を搭載。これらのシステムを総称して「Accelerator Capture」と呼ぶのも同じです。画素数がEOS R5 Mark IIの約半分ですので、その分効率よく大量の画像データの解析や高速のAF処理、AE検出などを行います。また、トラッキングや被写体認識AF、あらかじめ人物の顔をカメラに読み込ませておくと、その人物を優先して検出する登場人物優先なども、このAccelerator Captureは貢献しています。 スペック的なものとしては、まず最高40コマ/秒の連続撮影が挙げられます。これは、本モデルのデフォルトのシャッター方式である電子シャッターによる数値で、動く被写体の撮影では都合のよいものであるとともに、決定的な瞬間を逃すことはないと述べても過言ではないでしょう。ちなみに、メカシャッターおよび電子先幕シャッターでは12コマ/秒となります。 最高シャッター速度については、電子シャッターでシャッター速度優先AE(Tv)とマニュアル(M)選択時に限定されますが、1/64000秒を達成。晴天の屋外で大口径レンズの絞り全開での撮影が楽しめます。電子シャッターの絞り優先AE(Av)とプログラムAE(P) 選択時、およびメカシャッター、電子先幕シャッターでは1/8000秒が最高シャッター速度となります。シンクロ同調速度についても、電子シャッターは1/320秒と高速です。日中シンクロでの撮影の際、少しでも絞りを開きたいときなど重宝するはずです。なお、メカシャッターでは1/200秒、電子先幕シャッターでは1/250秒がシンクロ同調速度となります。 電子シャッターで気になるローリングシャッターゆがみは、メーカーの情報ではEOS-1D X Mark IIIのメカシャッター撮影時と同等とのこと。実用上問題になるようなことはないと思われます。今回作例の撮影は、すべて電子シャッターを選択し、サッカーや鉄道など動く被写体にも積極的にカメラを向けてみましたが、ローリングシャッターゆがみらしいものは見受けられませんでした。電子シャッターを選択すると、連続撮影の場合ブラックアウトフリー撮影機能や、シャッター全押しした瞬間から20コマ分さかのぼって記録する静止画プリ連続撮影機能の使用なども可能となるのも特徴で、撮影を強力にサポートしますので使わない手はないでしょう。また、電子シャッターは機械的に動く部分がないので、シャッター機構など耐久性を気にしなくてよいのもメリット。EOS R5 Mark IIもそうであるように、おそらく今後電子シャッターがEOS Rシステムすべてでデフォルトのシャッター方式となるように思われます。