「社会人の学び直し」と「リスキリング」はどう違う?今、リスキリングが重要視されている理由とは?
周りを巻き込み仲間を作れば、モチベーションを維持しやすくなる
学習→スキル習得→職業転換までを指すリスキリングにおいては、まずは基本となる知識を「継続して学習すること」が重要。しかし、なかなかモチベーションが続かない…と悩む人は少なくありません。ましてやリスキリングは、今の仕事に直結していない場合は特に、途中で脱落してしまう人もいるようです。 そんな悩みを抱える人にお勧めしたいのは、周りを巻き込むこと。リスキリングの有効な手法として「Co-skilling(コ・スキリング)」が挙げられますが、「コ」は協働という意味。周りと一緒に取り組むことで支え合い、励まし合うことができ、リスキリングを継続しやすくなると言われています。 たとえば、AIに関するオンライン学習講座を受講した後に意見交換をしたり、有志を集めてAIについての勉強会を開催したりするのは有効。可能であれば同じ部署、同じチームの人を巻き込んだほうが、「現業務×AI」のアイディアの精度が上がり、実務化もスムーズに進むでしょう。
【後藤宗明さん プロフィール】 一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブ 代表理事 早稲田大学政治経済学部卒業後、1995年に富士銀行(現みずほ銀行)入行。2001年に渡米し、グローバル研修領域で起業。帰国後、米国の社会起業家支援NPOアショカの日本法人の設立に尽力。米フィンテックの日本法人代表、通信ベンチャー経営を経て、アクセンチュアにて人事領域のDXと採用戦略を担当。その後、AIスタートアップのABEJAにて米国拠点設立、事業開発、AI研修の企画運営を担当。10年かけて自らを「リスキリング」した経験を基に、リクルートワークス研究所の特任リサーチャーとして「リスキリング~デジタル時代の人材戦略~」「リスキリングする組織」を共同執筆。2021年、リスキリングに特化した非営利団体、一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブを設立。AIを利用してスキル可視化を可能にするリスキリングプラットフォーム、SkyHive Technologiesの日本代表も務める。著書に『自分のスキルをアップデートし続ける リスキリング』、最新刊『新しいスキルで自分の未来を創る リスキリング【実践編】』(いずれも日本能率協会マネジメントセンター)も話題。
EDIT&WRITING:伊藤理子